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【六川亨の視点】2021年11月20日 J1リーグ第36節 FC東京vs徳島ヴォルティス

J1リーグ第36節 FC東京0(0-1)2徳島ヴォルティス
14:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数12,670人
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前節、横浜FMに0-8の大敗を喫したFC東京。長谷川健太監督が電撃辞任し、森下申一GKコーチが新監督に就任して迎えた第36節の徳島戦だったが、“負の連鎖”をストップすることはできなかった。

敗因は選手が的確に分析していた。代表戦から帰国した長友佑都は「試合に出ている以上、コンディションの言い訳はできない」と断った上で、試合の難しさを次のように語った。「優勝だったり、ACLの(出場)圏内でなく、残留も決まっている。どういうモチベーションがあるか。このチームで勝ちたいとか、気持ちの部分で選手1人1人が試されている」と。

彼の言葉を待つまでもなく、17位の徳島は残留争いの渦中にある。一方の9位FC東京にはチームとして明確な目標がない。同じことは10位の広島、11位のC大阪、13位のG大阪にもあてはまるかもしれない。広島は残留争いをしている清水に0-1、C大阪は優勝を決めている川崎Fに1-4、G大阪はACLの出場権を争っている名古屋に1-3と完敗した。モチベーションを保つのが難しいことは容易に想像できる。

そして前半のFC東京は「今日の試合は適当に前へ蹴っていて、外人任せだった。適当に蹴って相手ボールになっていた」と安部柊斗が振り返ったように、単調なロングパス攻撃に終始してチャンスらしいチャンスを作れなかった。ディエゴ・オリベイラとレアンドロからすれば、「消化試合」のようなもの。やる気が出なくても不思議はない。

その点、後半開始早々に彼らと交代した永井謙佑と高萩洋次郎は手を抜くことなくプレスをかけるなど攻撃陣を牽引した。しかし後半15分、永井のPKがGK上福元直人にストップされたことでFC東京の反撃も終了した。

FC東京の残り2試合はアウェーの広島戦とホームの福岡戦。どちらも似たようなチーム状況のため、どこまでモチベーションを高められるか。一方の徳島は、この日の勝利でJ1残留に望みがつながった。すでに大分と仙台、横浜FCのJ2降格が決定。残る1枠を徳島(勝点33)、16位の清水(同36)、この日の勝利(仙台に2-0)で15位に浮上した湘南(同36)と争っている。そして次節の11月27日は湘南対徳島の直接対決がある。両チームにとって「絶対に負けられない試合」であることは間違いない。

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。