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【森雅史の視点】2021年7月11日 J1リーグ第22節 湘南ベルマーレvsFC東京

J1リーグ第22節 湘南ベルマーレ 0(0ー0)1 FC東京
19:01キックオフ レモンガススタジアム平塚 入場者数4,685人
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非常に締まった好ゲームで、勝ったのはFC東京だったがむしろ湘南のほうが試合をコントロールしていたといっていいだろう。両ウイングバックまで下げてスペースを埋めたことで、FC東京が誇る強力外国籍アタッカーたちはほぼ仕事をすることが出来なかった。さらに鋭くカウンターを仕掛けるため、次第にFC東京はアタッカーの3人と残りのフィールドプレーヤー7人の距離が開き始める。

そのいい流れをさらに引き寄せるべく、後半は湘南が先に選手交代を行い仕掛ける。そこをGK波多野豪のファインセーブを中心にじっと我慢して受けたFC東京は、残り20分間で田川亨介と永井謙介を投入して4-2-3-1から4-4-2に変更し勝負を賭けた。すると83分、田川が相手のボールに厳しく寄せて奪うとレアンドロに繋ぎ、そのシュートを永井が決めて決勝点とした。外国籍選手たちの出来はよくないとと思いつつも、「一発があるのでその一発を待ちつつ、どこかで勝負をかけようと思った」と慌てず我慢した長谷川健太監督に運が向いた形になった。

この1つのシーンを除けば0-0が妥当な結果だったはず。それだけ湘南にとっては悔いが残る失点だっただろうが、チャンスはFC東京よりも多かったことを考えると必要以上に深刻になることのほうが恐ろしいかもしれない。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート