J論 by タグマ!

【森雅史の視点】2021年4月7日J1リーグ第8節 川崎フロンターレvsサガン鳥栖

J1リーグ第8節 川崎フロンターレ 1(0ー0)0 サガン鳥栖
19:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数9,173人
試合データリンクはこちら

 

シーズン序盤快進撃を続けてきた鳥栖だったが、ここにきて弱点が出てきている。昨季は2引き分けと負けなかったこの川崎戦も0-1と敗戦を喫した。さらにリーグ戦では最近3試合で1点も奪えない。もっとも鳥栖のサッカーが守備的だったりリスクを持って攻撃に行かないのではない。選手層の薄さが見え隠れするのだ。林大地を筆頭に急成長を見せている選手はいるが、絶対的なエースはまだ育っておらず、さらにけが人が続出している。川崎戦でもアンカーを任された島川俊郎が25分で交代するなどアクシデントも起きた。

だが希望がないわけではない。57分に田代雅也が退場したあとの4分間に混乱は生じていたが、それでも4-4-1、4-3-2と形を変え、川崎のボールを奪ってゴールを狙おうとし続けた。得失点差を考えれば1点差の敗戦は負けるにしても最善のはずだが「それで何が残るか考えた」と金明輝監督は攻める姿勢を崩さず、選手は応えようと最後まで走り続けた。チームコンセプトは浸透しており、ソリッドなチームであることは揺らいでいない。

今後の鳥栖にとって必要なのはピッチを離れている選手が戻ってくること。そうすれば無理なプレーを選択することが少なくなり、2試合連続で出ている退場者も減るはずだ。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート