「持って生まれたサイズを活かしつつ、足許をも使えるプレーヤーに」FC岐阜・イヨハ理ヘンリー【J2週間ベストプレーヤー選出記念インタビュー】
今シーズン、サンフレッチェ広島から期限付きでFC岐阜に移籍加入したイヨハ理ヘンリーが粘り強い守りで14試合ぶりの勝利に貢献、J2第37節のDAZN週間ベストプレーヤーに選出された。大木武監督の信頼厚く、コーチ陣も舌を巻くほどの急成長を遂げている若き壁は現状をどう捉えているのか。連勝をかけて挑む首位・松本山雅FCとの一戦を前に、島西運動場で話を訊いた。
──ディフェンダーらしいというか、跳ね返したり、1対1に強い守備能力がストロングポイントだと思うのですが、大木武監督のサッカーは足許の技術も重視しますね。その辺り、監督にはどういう要求をされていますか? ディフェンスの仕事ができていればいいよ、という感じなのか、それとももうちょっと足許につけるのもがんばれ、みたいな感じなのか。
イヨハ理ヘンリー:もちろん、ディフェンスとしてはまずは守って蹴れる(選手であってくれ)という要求が大木さんからもあると思いますし、どの監督も求めるものは同じだと思うんですけれども、それに加えてビルドアップのところで起点になったり、相手がプレッシャーに来たらぼくたちが剥がしていかないといけないので、そういったところでのパスの精度、組み立ての巧さも(同時に)求められていますね。
──今シーズンはここまで11試合で先発を果たしています。試合を重ねるごとに、ビルドアップの足許につけるパスなり、前線へのフィードが上達している手応えはありますか。
イヨハ理ヘンリー:すごく感じますね。自分で自分をめちゃめちゃ巧い選手ではないと思っているので、最初は緊張もして慣れない感じだったんですけど、最近はしっかり、大きなミスなくできていると思いますし、スムーズになってきたかなというのはあるんですけど、それでも相手がプレッシャーをかけてきている状況だと、チームとしてもサイドのウラに蹴り、とりあえず跳ね返してから前で押し込もうという戦い方になってきています。それも大事だと思うんですけど、そういったなかでも自分がタテパスを通すなり、ドリブルで剥がすなりできたらもっとチームを助けられるのではないかなと思います。
──そうすると、最終的にはマルチなディフェンダーを志向しているのでしょうか?
イヨハ理ヘンリー:いまのぼくには守備でしっかり自分のなかのリズムをつくり、攻撃のときに落ち着いてできるというイメージがあるんですけど、めざすところは足許も使えて、持って生まれたサイズの肉体はそれはそれで活かし、というプレーヤー像です。それを意識してこういう(ディフェンダーにも足許の技術を求める)チームに来た、という目的がありますし、大木さんのサッカーがわかってきたので、そういうところで成長したいなと思っていまもトレーニングに励んでいます。
──前節の週間ベストプレーヤーに選出されました。自己評価も重要だと思いますが、周囲からの評価は励みになりますか?
イヨハ理ヘンリー:だいぶ、なりますね。自分としても毎試合のように課題が残りはするのですが、それでも周りのひとから一試合ごとに「よくなっているよ」と声をかけてもらえます。あるいは「課題はあるけど、ここはよかったよ」とか。そういう機会が増えている。リカバリーの日に、選手はそれぞれスタッフの方と話す機会があるんですけど、そういったところでも「もっと自信を持っていい」と言ってもらえることによって「また次の試合もがんばろう」というやる気につながっていると思います。