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【田村修一の視点】2025年7月30日 スタッド・ランス ジャパンツアー2025 スタッド・ランスvs柏レイソル

スタッド・ランス ジャパンツアー2025 スタッド・ランス1(0-1)2柏レイソル
19:03キックオフ 日立柏サッカー場 入場者数 13,645人
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スタッド・ランスJapan Tour 2025の第2戦である。初戦からは時差にも気候にも慣れたランスだったが、今季J1で好調を維持する柏の牙城を突き崩せず、山形戦に続く連敗となった。

 

先発の平均年齢21.36歳。戦力テストが主眼の若手主体で臨んだランスにとって、俊敏でクローズドスキルに優れ、なおかつコレティブな柏は厄介な相手だった。大柄でフィジカルが屈強な選手たちは、スピーディで細かな柏の選手たちの動きに戸惑い、翻弄された。

 

後半に入り伊東純也や関根大輝も含め徐々に昨季のレギュラー組に切り替えると、次第に柏のプレーにも慣れていったが、プレシーズンの始動直後のチームには細かなミスも多く、PKの1点(74分、レタ・カドラ)のみで形勢の逆転までには至らなかった。

 

試合後、カレル・ヘラーゲル監督は、「中村敬斗にはまだ3年契約が残っており、彼の残留はクラブとしての決定事項だ」とハッキリと語った。また伊東に関しては「残って欲しいと思っている」と。残留がほぼ確定の関根を含め、今季も日本人3人を中核に据えながら(あるいはさらなる日本人の獲得を視野に入れながら)、1年でリーグアン復帰の青写真が、新監督にはあるのだろう。

 

一方、柏にとっても、ランスのようなフィジカルの強いチームとの対戦は、Jリーグでは経験できないものだった。だが相手の個の強さをコレクティブな組織力で抑え込み、連携の良さを発揮して小谷松知哉(44分)と瀬川祐輔(51分)が得点を重ねた。リカルド・ロドリゲス監督も満足したように、快心の勝利であったといえる。

 

 

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。