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【Jリーグ】「19年での導入施策の骨格になる部分については、来月決議ができればと思っています(村井チェアマン)」

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「19年での導入施策の骨格になる部分については、来月決議ができればと思っています(村井チェアマン)」~9月の理事会後の記者会見より~『Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~』

9月25日、JFAハウスにて9月のJリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われた。

今回は会見での村井チェアマンのコメントをお届けしています。


○村井満チェアマン

9月の理事会を終えました。ここからはクライマックスに入っていくわけですけど、J1でも優勝戦線や残留をかけた戦いが近年になく熾烈な状況となっています。またJ2・J3についても白熱した展開になっていることを共有して、理事会をスタートしました。

冒頭、北海道胆振東部地震の被害状況について、北海道コンサドーレ札幌の野々村社長からこれまでの被害状況や現状を報告いただきました。震災そのものの直接的な被害もあれば広域にわたる被害もありますし、今後札幌厚別公園競技場で競技を行うにあたっても、液状化対策が必要であることを、報告していただきました。

またご存じのとおり、J-GREEN堺の人工芝がめくれたり、照明の鉄板がめくれるなど、改めて風の怖さも再認識している次第です。そうした情報の共有を経て議事に入りました。
今回鹿島アントラーズがACLで4強進出ということで、大変リーグの期待を背負いながら戦ってくれています。そして日本代表の森保監督の初陣がありました。登録23人中16名がJリーガーということで、改めてアジアで勝つこと、そして世界で勝つことでのJリーグの役割を再認識しました。

今日は何か決めたことがあったわけではありませんが、今後のJリーグのビジョン目指す姿の議論であったり、それを構成する要素など今までに皆さんへ団子3兄弟など説明している通りフットボールがどうあるべきかとかいったことについて、意見交換をしています。私の方からは以上です」


Jリーグの2つの前提と5つの重要戦略(2016PUBレポート2016WINTERの図を元に編集部が作成)

【解説】10年2100億円をどのように使うのか(1)リーグ価値向上に向けた『競争環境構築』と『セーフティネット整備』


~質疑応答~

Q:先般から話し合いが行われているかと思いますが、外国籍選手枠について。今日の理事会を含めてどんな話し合いがあったのかということと、もし来季変えるのであれば、もう各クラブの編成が始まる時期に差し掛かってくる頃だと思いますが、そのへんの見通しはいかがでしょうか?
「外国籍選手枠の議論についは、しっかり自分たちのアカデミー組織で人を育てることにコミットしようというのがホームグロウンの両輪です。外国籍選手を制限することによって間接的に守ってきたようなところがありますが、もう直接的にアカデミーがコミットメントをして人を育てる方向に行こうということは、ある意味両輪なので、今日は両方の議論をしました。前提の議論としては、J1・J2・J3でしてきた議論の共有をさせていただいたのが、主たる目的でした。

なぜにこういう制度の設計に入っているのか、その背景の説明をさせていただきました。日本の競技レベルを上げていくことにリーグとしてはコミットしていきたい。そのためには、内なる競争がより厳しくなること、そして選手育成に直接的にコミットすること、この2つが重要だという前提を共有させていただきました。方向感や大事にしている前提の考え方についてはご了解いただいていると認識しています。詳細については、10月の時点で議論していくとしていますので、19年での導入施策の骨格になる部分については、来月決議ができればと思っています」


画像右側が現行(2017年~)の外国籍選手枠(2016年10月の理事会後の会見より)


「外国籍枠の撤廃云々よりも、まずJリーグが世界に通用するレベルの選手をしっかりコミットしながらやっていくことが一つの方法ではないかと(村井チェアマン)」~7月の理事会後の記者会見より(2)~

Q:一部で報道が出ていますが、ヴィッセル神戸の選手が浦和レッズ戦のスタメンを事前に関係者に漏らしてしまったのではないかという話について。それについて理事会に話は出ましたか。それと現在の段階でのチェアマンの見解を教えてください。
「今日の理事会では質問や提言、コメントはありませんでした。現況のステータスで言いますと、ヴィッセル神戸に対して事実確認を依頼しているところです。それを待っている段階です。ですので本件で確定していることはなく、それを我々としては待っている状況です。

一般論としてJリーグ規約の中に第89条という重要な条項があります。プロ契約選手は、試合に関すること、いわゆる極めて重要な秘匿すべき内容については、他言してはならないという取り決めがあります。一般論となりますが仮にそういったことがあれば、内容や事実次第ではJリーグ規約に抵触しかねない案件であるということは認識しています」

ヴィッセル神戸 一部報道に係る対応について(9月25日)
Jリーグ規約第89条(PDF)

Jリーグ規約第89条〔禁止事項〕
(1) プロ契約選手は、次の各行為を行ってはならない。
①Jクラブ、協会およびJリーグの内部事情の部外者への開示
②試合およびトレーニングに関する事項(試合の戦略・戦術・選手の起用・トレーニングの内容等)の部外者への開示
③協会の「アンチ・ドーピング規程」に違反する行為
④Jクラブ、協会およびJリーグの承認が得られない広告宣伝・広報活動への参加もしくは関与
⑤Jクラブとの契約の履行の妨げとなる内容の第三者との契約の締結
⑥Jクラブの事前の同意を得ない、第三者の主催するサッカーまたはその他のスポーツ
の試合への参加
⑦試合の結果に影響を与える不正行為への関与
⑧その他Jクラブ、協会およびJリーグにとって不利益となる行為


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