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【水戸】「水戸ユース、PK戦で山口U-18を撃破!Jユースカップ初の16強入り!」

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【育成NOW】「水戸ユース、PK戦で山口U-18を撃破!Jユースカップ初の16強入り!」(2017/10/24) ※無料記事デイリーホーリーホック

【写真 米村優子】

トップ昇格のDF大原選手が値千金の同点弾!2種登録のGK木村選手がPK戦でビッグセーブ!

Jクラブ、一部の地域クラブのユース世代の頂点を決める「2017Jユースカップ 第25回Jリーグユース選手権大会」の2回戦が10月22日、水戸市小吹町のケーズデンキスタジアム水戸で開かれ、水戸ユースは1-1で突入したPK戦の末、レノファ山口FC U-18に5-4で勝利。水戸ユース史上初のJユース16強入りを果たし、3回戦へ進出を決めました。

【写真 米村優子】

試合結果
水戸ユース1(PK 5-4)1レノファ山口FC U-18
得点者:大原彰輝(63分)

出場メンバー
先発:GK 21木村豪(2年)
DF 3大原彰輝(3年)、6綱川洋輔(3年)、7村山璃空(3年)、2菊池聡太(3年)
MF 10蕎麥田龍也(3年)、16藤枝伶央(1年)、14出口叶哉(2年)
FW 22澤田大哉(2年)、11岡安優(3年)、9脇澤晴日(3年)

選手交代 
藤枝→8平田海斗(1年)
脇澤→5久保田廉(2年)
澤田→17松本康平(1年)
菊池→15甲高柊汰(1年)

【写真 米村優子】

0月14日のアウェイ初戦でファジアーノ岡山U-18に2-0で完勝した水戸ユース。
大勢のサポーターらが詰めかけたホームで迎えた第2回戦は、台風の影響で横殴りの雨が容赦なく降り注ぐスリッピーなコンディションに。
そんな中、水戸ユースはストロングのセットプレーで後半に勝負を挑もうと、前半は風下を選択。序盤から山口の攻撃に耐える展開となり、8分にコーナーキックから先制点を奪われます。その後も我慢の時間帯が続き、1点ビハインドを負ったまま前半を終えました。

【写真 米村優子】

そして風上となった後半は、立ち上がりから水戸が躍動。得点の気配が徐々に高まった63分、DF村山璃空選手からのコーナーキックを、来年トップ昇格が決定しているDF大原彰輝選手がヘッドで値千金の同点弾を決めて、試合を振り出しに戻します。大原選手は初戦に引き続き、2試合連続のゴールで存在感を発揮していました。
その後もカウンターやセットプレーでゴールに迫る場面はありましたが、1-1のまま時計は進み、延長戦へ突入。

【写真 米村優子】

雨脚が更に強まり、ピッチに出来た水たまりにボールが止まるようになると、互いにロングボールを蹴り合う状況が続き、そのまま決着がつかず、PK戦へ。
山口が先攻で始まったPK戦は、2種登録中のGK木村豪選手が2本目を見事にセーブ。これにより、水戸ユースが優勢に。そして4人目まで順調に成功し、最後のキッカーとなった大原選手がネットを揺らした瞬間、選手全員がピッチの真ん中で抱き合い、喜びを爆発させました。
大原選手は「自分達の世代は水戸ユース史上、最弱と言われていた。でもこういう代だからこそ、結果を出してやると思っていました。歴史を作れて嬉しいです」、木村選手は「先輩達が残してきた記録を上回ることが出来て嬉しいです。ファン、サポーターの後押しもあるホーム戦だったので、それが一番力になったと思います」と勝利を噛み締めていました。

【写真 米村優子】

今季のクラブスローガン「前進」を体現し、その歴史に新たな1ページを刻んだ水戸ユース。
次の相手は、同大会で過去2回、準優勝の経験があるセレッソ大阪U-18。年代別の日本代表選手も数多く在籍している強豪クラブです。
樹森大介監督は「ビッグクラブで戦えることは、クラブとしても選手としてもいい刺激になる。僕らは失うものはないので、チャレンジャーとして本気で戦っていきます。一つでも上に行けるように、この一週間で準備したいと思います」と意気込んでいます。

【写真 米村優子】

第3回戦は10月28日午前10時30分に時之栖スポーツセンター(静岡県裾野市)でキックオフ。
水戸ユースの「無限の力」、「葵の魂」を見せてやりましょう!

コメント
〇樹森大介監督

Q.水戸ユース初のベスト16入りです。
「このコンディションの中、選手達がタフに戦ってくれたことに感謝します」

Q.前半は風下で押し込まれる展開となりました。
「コイントスの段階で前半は守ろうと思いました。うちのストロングポイントの一つにセットプレーがあるのですが、後半の方がより多くチャンスが作れるんじゃないかと思いました。リーグ戦はいつも風上を取っているのですが、今回は初めてそういう戦い方をしてチャレンジした形となりました。逆に失点を食らってしまったので、決して良かった訳ではないのですが。2、3日前から今日の天候というのは十分理解して準備していたので、日頃とは全然違うサッカーと割り切って、選手達もやってくれたと思います」

Q.前半終盤にMF平田海斗選手を投入した意図は?
「スタートの段階で、藤枝(伶央)か平田か迷っていたんです。藤枝は足元が得意な選手で、ピッチコンディションが厳しいだろうなとは思っていたのですが、どうにかやれるだろうと。でもグラウンドコンディションで10分、20分で交代するかもしれないからねとは本人に伝えていた。そしたら雨が強くて、互いに蹴り合いの試合になったので、そうなると藤枝の持ち味が活きない。だから走力のある平田がいいと思い、代えました」

Q.後半は主導権を握って、セットプレーで追い付きました。
「風下だったけれども、最小失点で抑えた。後半は得点を入れようということと、セットプレーを大事にしようという所をハーフタイムで伝えました。山口を分析した所、しっかり中を固めて跳ね返す戦い方を前の試合でしていた。セットプレーはそんなに強いチームではなかったので、押し込んでセットプレーというのを圧倒的に頭に入れてやっていました。それが上手くハマって、同点弾に繋がりました」

Q.延長戦は更に雨脚が強まり、タフなゲームとなりました。
「延長戦は気持ちだと選手らには話をしていました。日頃のトレーニングは中途半端なことをしていないので、自信持って行こうよと。選手らは110分間、走りきってくれたと思います。特に前半で決められれば、とは思いましたけれども」

Q.次はセレッソ大阪U-18との対戦となります。
「今日勝てたのは保護者だけでなく、サポーター、ジュニアユースの選手全員も応援に来てくれたお陰です。そういう想いを背負って、静岡でもう一回チャレンジしていこうと選手に話をしました。今回みたいな後押しはないかもしれませんが、自信を持って戦っていきたいと思います。セレッソという代表選手もいるビッグクラブで戦えることは、クラブとしても選手としてもいい刺激になる。積極的に勝ちにいきたいなと思います。2年前の部分から上に行くんだとみんな思っているので、これでOKというやつは一人もいない。僕らは失うものはないので、チャレンジャーとして本気で戦っていきます。一つでも上に行けるようにこの一週間、準備したいと思います」

○DF3 大原彰輝選手
Q.PK戦を制して、勝利しました。
「Jユースは初戦で負けると言われていて、自分達も想像していなかった展開。でも僕らは一日一日の練習で互いに高め合っていました。自分達の中でその自負があったので、リーグ戦も優勝できたし、こういう舞台でも力を発揮できたのかなと思います」

Q.同点弾のシーンを振り返って下さい。
「あんまり覚えていないのですが、村山璃空からのボールが良かったんです。辛い練習を何回もやってきた成果だと思います。自信を持って狙ったら、決まりました。決められて、本当に幸せだなと思います」

Q.PKの最後のキッカーでした。
「実は、小中学校の時、ああいう舞台で外してきたことが多かったんです。ここで俺が決めれば勝ちという状況で俺を指名するなんて、『樹森さん、やってくれたなぁ…』と思っていたんです(苦笑)。でもみんなから『お前が決めたら勝ちだ!』って後押しがあったんで、自信持って振り抜きました。蹴る前は、あんまり緊張はなかった。ピッ!とホイッスルが鳴ってから、ちょっと深呼吸をしたのですが、そこでしっかり落ち着けました。それで緊張することなく、ボールを蹴ることができましたね」

Q.Jユースベスト16という新たな歴史の1ページを刻みました。
「最初は自分達の世代は水戸ユース史上、最弱と言われていた。でもこういう代だからこそ、結果を出してやると思っていました。歴史を作れたというのは嬉しく思います。でも自分達の力だけでなく、監督、スタッフの皆さん、サポーターの皆さんの後押しもあって、ここまで来た。だから、自分達のやってきたことを出すだけだった。結果を残せたことは、すごく嬉しかったです」

Q.前半は風下で相手ペースの展開となりました。
「耐えるしかないという気持ちでやっていました。失点は風もあったし、事故のようなもので仕方がないと思いました。最初の10分ぐらいでやられましたが、焦りはなく、失点のことは忘れて、とにかくアラートを保つことを心掛けました。全員がまずは守備からと意思統一できていたのも良かった。前半はとにかく耐えたという感じですね」

Q.後半は水戸がペースを握りました。
「最初から後半に勝負しようとやっていて、セットプレーで逆転する戦術でした。割り切って、ボールを入れて、それでコーナーキックを取って。それで思惑通り、得点が出来ました。出来れば、もう一点取れれば良かったのですが」

Q.延長戦終盤は相手に押し込まれる場面もありました。
「前半は風下でしたが、まずは耐えれば大丈夫だと思っていました。雨が強すぎて、蹴りたくても蹴れない状況でした。割り切って意思統一をしていた感じでした。相手よりもサッカーを楽しむことが大事だと思っていたので、みんな最後まで笑顔でプレー出来たと思います」

Q.次はセレッソとの対戦となります。
「自分達の力でここまで来られなかった。周りの人達に感謝して、相手チームもリスペクトしながら戦いながら、一丸となって勝利を掴みたい。結果も大事ですが、まずは試合を楽しみながらやっていきたいです」

○GK21 木村豪選手
Q.タフなゲームを勝ち抜きました。
「グラウンドコンディションが悪い中、最初は相手コートでサッカーが出来ていなかったのですが、徐々に出来るようになって、前半は0-1で折り返しました。後半は風上の中、しっかり相手コートでセットプレーも奪って、得点できたのが良かったです」

Q.PK戦は2本目を見事セーブしました。
「1本目で感触を掴んで、2本目はキッカーが蹴る前に相手を誘導したのですが、そこに相手が乗っかってくれた。それで上手く止めることが出来ました。チームを勝利に貢献できて、正直嬉しい。スタッフ、サポーター達、ジュニアユースの選手らの声援があってこその勝利だったと思います。そこに感謝しています。次に繋げられたし、勝ててよかったです」

Q.前半は相手に主導権を握られてしまいました。
「風もそうですし、セットプレーは自分の判断ミスで失点してしまった。そこは反省点です」

Q.後半は立ち上がりから水戸ペースで進められました。
「試合前から後半に風上を取って、そこで点を取りに行くという狙いでした。そこは上手くハマったと思います」

Q.延長戦は一進一退の攻防が続きました。
「みんな一丸となって集中を切らさずに守れたと思います。ピッチに水たまりも出来たりしていて、ボールも止まってしまいましたが、そこは割り切って、とにかく相手コートで前に前にプレーすることを意識しました。相手のミスがあるかもしれないので、そこを狙って、得点を奪おうとしていました」

Q.水戸ユース史上初の3回戦進出です。
「先輩達が残してきた記録を上回ることが出来て嬉しいですし、ファンサポーターの後押しもあって、ホーム戦が出来たので、それが一番力になったと思います」

Q.次はセレッソと対戦です。
「格上とわかっているので、自分達はチャレンジャーとして挑みたい。勝利に向けて一週間、いい準備をして勝てるように頑張ります」

【写真 米村優子】

(米村優子)


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