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「最終的に日本のサッカーのためには何がいいのか。そのためにも取り組むことが大切(JFA・小川審判委員長)」

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「最終的に日本のサッカーのためには何がいいのか。そのためにも取り組むことが大切(JFA・小川審判委員長)」~VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)に関するメディア説明会より(1)~『Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~』

Jリーグは3月22日、JFAハウスで2018シーズンより試験導入に向けた準備を開始するVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)に関するメディア説明会を開催した。説明会には国際サッカー評議会(IFAB)テクニカルダイレクター兼イングランドサッカー協会(FA)審判委員長のデイヴィッド・エルレイ氏、日本サッカー協会(JFA)の小川佳実審判委員長、Jリーグ原博実副理事長が出席した。

今回から数回に分けて、説明会での出席者のコメントをお届けしてします。

○原博実副理事長
「ご存知のようにロシアW杯でVARが導入されることが決定しています。
今日、VARについて詳しく勉強していただき、我々JリーグとしてもVARが今回のW杯でどう行われているか、あるいは世界のリーグでも行われているので、そういった情報を十分に収集して準備していきたいと思っています。
まだまだ試行錯誤をしながらVARをやっていると聞いています。去年のJリーグワールドチャレンジの鹿島vsセビージャ戦でも、実験的に(VARを)オフラインで実験的に試してみました。私も舞台裏を覗かせてもらいましたが、なかなか簡単ではなかったというのが正直なところでした。これから世界がどうやっているのか色々な準備をしていきたいですし、これを貴重な機会にしていただきたいと思います」

○小川佳実審判委員長
「VARに関しては、昨年JFAとJリーグが取り組んでいくという話をしました。実際にこの2月から本格的にトレーニングに入っています。ただ世界で今ヨーロッパ中心にVAR(の導入が)始まっていますが、ポジティブ・ネガティブな情報が飛び交っています。ただアジアのトップリーグであるJリーグ、本当にサッカーの発展のためにテクノロジーをどう使っていけるのか、ただ単に情報だけで決めるのではなくて、やはり自分たちで実際にやってみることが大切だと思っています。今アシスタントレフェリーをやっていますが、そうやって人を増やす方がいいのか、テクノロジーをさらに入れ込んでいく最終的に日本のサッカーのためには何がいいのか。そのサッカーのためにというのは、審判員の強化、いいプレーヤーを作っていくために、そういったいろいろな観点から判断していかないといけません。そのためにも取り組むことが大切だということで、今、(VARに)チャレンジしていくこととなりました。

その前に国際サッカー評議会(IFAB)について説明させていただきます。

1886年(明治19年)、英国4協会(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)で、サッカーの競技規則を統括するために設立されました。FIFAは1913年にIFABに加盟しています。ですので、昔は英国4協会がそれぞれ1票ずつで4票、FIFAは1票でした。そして5票のうち3票入ればルールが変わりました。

ただ今はFIFAの力も強くなって4票となり、8票中6票取れればルールが変わることとなります。そのIFAB-競技規則の世界的権威-ですが、唯一無二の団体です。競技規則の改定は毎年3月に年次総会の場でのみ可能となります。今年の3月3日に行われた総会でVARが承認されて、3月16日のFIFAの理事会で今回のワールドカップで採用されることが決まりました。

そこで紹介するのかデイヴィッド・エルレイさんです。

彼は2009年からイングランドサッカー協会(FA)の審判委員長をやっています。それで2016年に初代のIFABのテクニカルダイレクターに就任しています。他にもヨーロッパサッカー連盟(UEFA)の審判教育のチーフをやったりしています。

彼が言うには、『この競技規則の変更は、歴史上最も重要なもの』と言っています。

デイヴィッド・エルレイさんはプレミアリーグでも審判をしていましたし、IFABのテクニカルダイレクターでもあります。、競技規則の権威で、VARについても彼が中心にやられていて、VARの父とも呼ばれています。先月もトレーニングの時に日本へ来ていただいています。今回、皆さんにお話をするために、またVARのトレーニングのために来日してくださいました」

(2)へ続く

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