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「放映権等の交渉は、今後私と木村さんを軸に進めていくことになる(Jリーグ・村井チェアマン)」

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「放映権等の交渉は、今後私と木村さんを軸に進めていくことになる(Jリーグ・村井チェアマン)」~2月のリーグの理事会より(4)~『Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~』

2月27日、JFAハウスにて2月のリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われ、Jリーグ村井満チェアマンから決議事項・報告事項が発表された。

今回は理事会後の会見に出席した出席者のコメントをお届けしています。

関連リリース
https://www.jleague.jp/release/post-52692/


○村井満チェアマン
Q:木村さんについて。ファジアーノ岡山の社長を退任されるのはいつなのか、またいつから専務理事に着任されるのか。また、どの様な経緯で交渉されたのか。最初の木村さんの反応などを教えてください。

本件は候補者選任ですので、正式には3月27日の総会決議事項になりますので、それより前には、木村さんは筆頭株主を降りて、代表を退任されることになります。これは岡山サイドのスケジュールの中でこの後決まっていくことだと思います。

自分中で彼にどうしても来てほしい想いがありました。彼の反応についてですが、『頼む』といったところ、『は?』という感じで驚かれていましたが『少し時間をください。明日の昼までに』という答えをいただきました。普通でだったら1~2週間と間を空けるところだと思いますが、集中的に翌日までに考えてということでした。その後どうしても意思決定できない、丁寧に対応しなければいけない顧客がいるということで、数日間動かれていました。
自分自身、経験のバランスが悪い人間だと思っております。原副理事長に十分に補完してもらっているものの、現場の空気がわかっていない人間だと認識しています。木村さんはそういったことからも、どうしても来ていただきたいという思いが強く、とにかく、縦に首を振るまで動かないくらいのつもりでやっていたので、そういうところを感じてくれたのではないかと思います。ただ最初は相当びっくりされていましたし、私が想像するに、非常に速い意思決定をしてくださったと感謝しています。
(私が最初に伝えたのは)そんな前ではないです。1~2週間前だと思います。というのも、私自身も(チェアマンを)続投するかどうか直近までわかりませんでしたし、続投することを覚悟した時に、リーグの将来についてどういう絵を描こうかと、そこから考え始めて交渉しはじめました。

※Jリーグ鈴木氏より補足:1月30日の理事会決議をもってチェアマンが内定しました。候補者選考委員会はその少し前に実施しました。

そうした経緯もあって、2月に入ってから布陣を考えはじめ、2月の第1週か第2週でしょうか。まだ10日程度しか経っておりません」

Q: 木下理事について、プロフェッショナル契約という言葉がありましたが、今後の肩書はどのようなものになるのか。木村さん、米田さんの職域について、この辺りをもう一度教えてください。
「(木下さんについて)英語ではどういうふうにいうのか決めていませんが、日本語のイメージで言うと『Jリーグチェアマン全権特任大使』、私の名代として各国と関係構築に向けて動いていただくことになると思います。当然海外だけではなくて、国際交流に関わる政府機関なども結構あったりしますので、そういったところともコラボレーションすることになると思います。提携国以外にも、バヌアツなどへユニフォームを届けるような国際交流活動もしているので、提携国を中心とした幅広い世界ということになると思います。政府機関だけでなく、社会貢献に関連する活動もしていただきます。

ただ、ビジネスに関する部分、例えば海外放映権交渉やクラブと連動する事業系の分野は事業会社のJリーグマーケティングの海外事業部が担うことになります。(木下さんを中心に)各国との関係改善が主たる役割になると思います。

それから米田さんと木村さんの関係ですが、並列で先も述べたとおり、フットボール関連分野は原副理事長、社会連携、ホームタウン活動とか社会への貢献といった地域密着のセカンドステージにあたるところを米田さんがやって、その裏付けを獲得していく事業・ビジネスの分野を木村さんがやっていくイメージになります。

ただこの3人は、私を含めた4人で横断する共通テーマが多々あります。内閣でいう官房長官にあたるもの、横の連携を図って、投資の優先順位や資源配分の決定といった横断機能であったり、より良い組織にしていくための組織開発機能は米田さんが担っていきます。通常いるバックオフィスは、木村さんと米田さんがシェアすることを想定していますが、詳細の役割分担は、正式に決議されたあと議論することになります」

Q:2つあります。1つが社会連携について、ホームタウン活動のあり方を昨年から検討部会でチェアマンの肝入りで座長として進めてこられましたが、その専門部会長も米田さんにお預けするお考えなのか。
またチェアマンが就任されてから放映権の扱いやEコマースなどリーグとクラブの役割分担や分業、業務負担の効率化とか、デジタル面でワークシェアをしていく作り変えをされてきましたが、そこを新しい布陣で加速させていく狙いはお持ちなのかどうか、教えてください。
「社会連携については、(17年に始動した)社会連携検討部会も全ての回で米田さんが中核メンバーとして携わってこられました。この延長線上で部会として活動するか、常設の組織として活動していくのかはこれから決めていきます。ホームタウン活動は、クラブが主体となって推進してきたもので、延べでいうと(年間)17,000回以上もクラブが献身的な地域活動をしています。それらを横串で一度集めて分類し、ブラッシュアップすると、まだまだノウハウの共有化ができるとか、この分野はリーグとしての改善余地が大きいので、米田さんが直接担当することになります。部会にするのか、常設としての組織化をするか、これから検討することになります。

それから放映権やデジタル関連についてですが、放映権等の交渉は、今後私と木村さんを軸に進めていくことになると思います。新たな放映権の販売等々、特に今後、海外放映権の更新を控えていますが、こうしたことは木村さんが主たる担当になると思います。
一方デジタル関連については、基本設計そのものの、大きな方針は公益Jリーグの理事会で承認を済ませていますので、今鋭意Jリーグデジタルという事業会社で共通プラットフォームの開発を進めていますので、方針変更をする際は、公益Jリーグがすることもありますが、事業会社の方でスピーディーに小西さんを中心に動かしていくことになります」

(5)へ続く

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