【東京V】【練習レポート】キャプテンは誰に?
【無料記事】【練習レポート】キャプテンは誰に?(17.11.17)(スタンド・バイ・グリーン)
■腕章をオークションにかける
19日、J2最終節の徳島ヴォルティス戦。言うまでもなく、J1昇格プレーオフ出場の懸かった重要な一戦だ。
注目のゲームとしてNHK BS1での生中継が決定するなど、日を追うごとに周囲の熱は高まる一方、チームは平常運転を保っている。試合2日前はいつもどおりランニングと体幹トレーニングの軽めのメニュー。負荷を最小限に抑え、40分ほどで練習を切り上げた。
徳島戦は、キャプテンの井林章が警告の累積により出場停止。フルタイム出場を続けてきた守備の中心を欠くことになる。今季、徳島の挙げた70得点は、名古屋グランパスの83得点に次ぐ、リーグ第2位。また得失点+27は、首位の湘南ベルマーレの+22を上回る第1位だ。
破壊力のある相手の攻撃陣に対し、これまでつくり上げた組織的なディフェンスを保持することがひとつのキーになるが、井林がずっと巻き続けてきた腕章を誰が引き受けるのかも気になるところ。
2月12日、ロティーナ監督はキャプテンを発表し、第2キャプテンに中後雅喜、第3キャプテンに高木大輔を指名。「もし必要だったら」との前置きがあり、柴崎貴広が追加された。仮に、ここで中後か高木大が先発起用されるのであれば、事はすんなり収まるが、最近はともにスタメンから遠ざかっている。
ロティーナ監督は言った。
「腕章をオークションにかけましょう。最もお金を積み、競り落とした人がキャプテンです」
くっくっくと笑い、ジョークにご満悦の様子。どうやら、4人目に柴崎を挙げたことは忘却の彼方か。「選手間で話し合ってもらい、決定することにします」と話した。
最終節は出場停止の井林章。プレーオフに備えて力を溜めておいてほしい。
■だったら、髪を黒くしてこい
「いや、どうなんすかね。僕はないんじゃないですか。まだ何も言われてないです」
と語るのは柴崎である。
「これまでキャプテンをやったのは、高3のときだけ。そういえば、さっき(安西)幸輝がみんなの前でやりたいって言ってましたよ。あいつの場合は、単なる目立ちたがり屋ですけど」
話を振られた安西、この大一番で新境地を開くつもりか。
「あれは冗談です。監督からは『だったら、髪を黒くしてこい』と言われました」
洋の東西を問わず、安西のチャラつき具合はどこか引っかかるのだろう。
「一応、おれだってユースの3年ではキャプテンやってたんですからね。うそじゃない。本当ですって。まあ、シバくんになるんじゃないですか。一番年上だし」
腕章の特別感によって空回りの危険があったり、余計なプレッシャーを与えるのであれば、軽々に扱うのは得策ではない。この際、もともと責任感が強く、影響の少ない選手に託す手もある。2014シーズンにキャプテンを務めた田村直也、ユースや年代別代表で経験のある内田達也はその候補か。ふたりとも、動じる様子が一切なさそうなのがいい。
徳島との決戦に向け、入場者数1万人超えを達成すべく、クラブは懸命の集客活動を続けている。乾坤一擲の大勝負は、往時応援していた人たちの呼び戻し、新規ファン獲得の大チャンスだ。ひとりでも多く、味の素スタジアムに足を向けさせたい。
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