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【森雅史の視点】2025年8月31日 J1リーグ第28節 川崎フロンターレvsFC町田ゼルビア

J1リーグ第28節 川崎F 5(2-2)3 町田
19:04キックオフ Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 入場者数 22,270人
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夏休み最後の日を飾るのにふさわしい、大きな花火がどんどん打ち上がるような派手な試合だった。

 

ACLの関係で連戦となっている町田は、この試合が連戦5試合目、そして天皇杯準々決勝から中3日だった。試合開始から寄せが甘く、カバーも遅れてしまう。それでももし川崎が組織だったプレーで攻め込んできたならばうまく対応できたかもしれない。ところが川崎は伊藤達哉、エリソンが個人技を生かしてゴリゴリと町田守備陣に圧力をかけ続けた。

 

川崎は、相手が寄せてこないとみた伊藤が先制点を決め、動きが一瞬止まったラインを抜け出したエリソンが2点目。エリソンがDF2人を引きつけてパスを出すとフリーとなった宮城天が3点目を決め、脇坂泰人のパスにエリソンが、さらに脇坂の折り返しにマルシーニョが合わせて川崎が計5点を挙げた。

 

それでも相馬勇紀のクロスからナ・サンホのシュートで同点にし、さらに下田北斗がFKを直接決めて逆転、後半にも相馬のクロスを藤尾が押し込んで2回目の同点に追いついた。1点をリードされた後半アディショナルタイムには白崎凌兵のシュートがバーを叩いた。そう考えると同点で終わってもおかしくない試合ではあったが、パスをつなぐ場面と逆襲速攻で攻める場面という、2つの選択肢をうまく使い分けた川崎に軍配が上がったと言えるだろう。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート