
【田村修一の視点】2025年5月17日 J2リーグ第16節 ジェフユナイテッド千葉vsベガルタ仙台
J2リーグ第16節 千葉 0(0-0)0 仙台
14:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者数 14,261人
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首位の千葉と3位の仙台。どちらが勝ってもおかしくない好勝負は、ともに最後の決定力を欠き無得点のまま引き分けに終わった。
「自分たちから相手の守備を動かしていく」(小林慶行監督)やり方で臨んだ前半の千葉は、ポストを叩いた品田のシュート(12分)や、椿へのファール(36分)でPKを得るなど得点機は作り出したものの決めきれない。右サイドへのロングパスや前線への楔のパスが繋がらないなど、攻撃のテンポを上げられずにミスが目立つ展開となった。後半は左サイドからの攻撃に特化したポゼッションが安定し、ゲームは支配したものの得点には至らず、終盤は仙台に攻め込まれて今治戦に続く連勝はならなかった。
スタイル自体にブレはない。だが、パフォーマンスにムラがあるのは、悲願のJ1昇格に向けての課題である。同時にそれは選手とチームに、さらなる成熟の余地があることを示しているといえる。
一方、シュート数で千葉を上回る(15本対9本、枠内シュートは5本対1本)など、「試合の入りから最後のホイッスルが鳴るまで、選手たちは100%の力で戦った」(森山佳郎監督)仙台は、前節・大宮戦の敗戦で失いかけた自信を取り戻せた点で、意義のある勝ち点1の獲得だった。得失点差で水戸に抜かれ4位に後退したとはいえ、態勢を立て直せたことの意味は大きい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。