
【田村修一の視点】2025年5月10日 J1リーグ第16節 柏レイソルvsファジアーノ岡山
J1リーグ第16節 柏レイソル 2(0-0)0 ファジアーノ岡山
16:03キックオフ 三協フロンテア柏スタジアム 入場者数 12,414人
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柏が攻守に岡山を圧倒した試合だった。
前線からのプレスで岡山に自由にボールを持たせず主導権を握った柏は、相手の裏を狙う縦の攻撃と狭いスペースでの素早いボール回しで次々とチャンスを作り出した。ゴールこそ細谷真央の得点(76分)まで待たねばならなかったが、全体が攻守にわたり連動するスタイルは、リカルド・ロドリゲス監督のチーム作りが順調であることを示していた。
ロドリゲスのスタイルに合う選手をクラブが獲得したこと。選手がプレーのコンセプトを理解し、競争し合っていることが完成度を高めた要因であるという。またこれから成熟していくことが課題であるとも。今後、優勝争いに加わっていくためには、選手ひとりひとりが判断の精度とスピードをさらに高め、相手に対してもより柔軟に対応していくことが重要になるのだろう。
一方、ルカオが徹底マークにあうなど柏に攻撃を封じ込まれ、守備でもブロックを下げることを余儀なくされた岡山は、アウェー3
連戦の疲労が露呈する格好となった。それでも守備を固め、勝ち点1を持ち帰ろうとしたが、最後は柏の交代選手たちの速さに対応できず、細谷に続きジエゴ(90分)にも得点を許し、引き分けを挟んで3連敗となった。
初のJ1昇格と、限られた戦力での戦い。ホームに戻っての1週間の準備で、木山隆之監督には態勢を立て直して欲しい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。