
【森雅史の視点】2025年5月10日 J1リーグ第16節 FC東京vsヴィッセル神戸
J1リーグ第16節 FC東京 1(0-0)0 神戸
15:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数 24,837人
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ターンオーバーが少ない試合だった。ペースを握ったチームが相手にリズムを渡さず攻め続ける。前半先手を取ったのはアウェイチーム。25分まで相手を脅かし続けた。ホームチームは27分のカウンターをきっかけにペースを掴むとそのまま前半押し切った。後半はFC東京の攻める展開からスタートする。しかし神戸は選手交代を巧みに使いながら次第にリズムを取り戻した。
両チームとも攻めるものの、お互いにGKが活躍してなかなかゴールを割らせない。特に神戸の前川黛也は何度も決定機を救った。両チーム無得点で終わるかに見えた後半アディショナルタイム、GK波多野豪がロングキック。このカウンターで仲川輝人が抜け出す。そこは前川が防いだものの、安斎颯馬がフォロー。そのシュートはカバーした本多勇喜の手に当たってPKに。そしてこれをマルセロ・ヒアンが沈め、土壇場でFC東京が1点を奪った。
内容は引き分けでおかしくなかった。決勝点を神戸が奪ってもおかしくない場面もあった。だが気まぐれな幸運の女神はこの日、ボールをつないで攻めるパターンとマルセロ・ヒアンにアバウトなボールを入れて攻めるパターンとの両方が形になってきたFC東京に微笑んだ。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート