
【森雅史の視点】2025年5月6日 J1リーグ第15節 東京ヴェルディvs横浜FC
J1リーグ第15節 東京V 2(1-0)0 横浜FC
16:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数 14,258人
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横浜FCの高い目標がこの日の勝敗に影響した。
先発6人を入れ替えた東京Vは172センチの宮原和也、174センチの深澤大輝、188センチの綱島悠斗で守備ラインを構成した。一方横浜FCの前線には185センチの鈴木武蔵、183センチのルキアンがいて、控えには191センチの櫻川ソロモンも用意されており、サイドには町田でクロスから得点を量産していた鈴木準弥も、キックに定評のある福森晃斗もプレーしていた。
横浜FCが単純に放り込むサッカーをすれば東京Vはもっと困ったかもしれない。しかし横浜FCは守備ラインからしっかりボールをつなぎ、ゲームを組み立てて勝とうとした。そしてボール保持率は東京Vの31パーセントに対して69パーセント、シュート数は東京Vの5本に対して10本というデータを残したのだ。
その点を考えると、東京Vの選手たちのほうがしたたかだったと言えるだろう。勝負の勘所をしっかり抑えて36分には染野唯月がヘディングシュートを決め、90+1分には熊取谷一星が個人技でミドルシュートを突き刺した。しかも城福浩監督は交代策についても先に仕掛け、攻められているように見せて主導権を渡さなかった。横浜FCのゲームプランがあったにせよ、その対策もしっかり準備するなどベテラン監督の老獪さを証明した。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート