
【森雅史の視点】2025年4月6日 J1リーグ第9節 FC町田ゼルビアvs川崎フロンターレ
J1リーグ第9節 町田 2(1-1)2 川崎F
14:03キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数11,974人
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手に汗握るシーソーゲームだった。
16分、橘田健人の負傷交代に原因を作った町田が動揺を見せている間に川崎が先制。34分、ジェジェウが負傷交代して守備ラインを整えようとしている間に町田が同点に。53分、右サイドからのクロスが相手選手に当たってわずかにコースが変わるところを西村拓真が素早く反応して町田がリード。だが73分、河原創が積極的に飛び出して左足のシュートを決めて川崎が同点とした。
両チームの意地のぶつかり合いの中で目立ったのは河原だった。相馬に激しいチャージをかけて苛つかせ、いつものプレーが出来ないような状態にした。相馬はオ・セフンが合わせそこなった見事なカットインからのクロスも見せたが、開幕からの好調ぶりを考えると本来ならもっとチャンスを作れたはずだ。ところが河原に気を取られ、イエローカードをもらってしまうほどだった。そして相馬が交代したあとに起死回生の同点ゴール。混み合うペナルティエリアに侵入し、左足でコースをついたシュートは見事だった。
もっとも河原は普段、相手を苛つかせるようなプレーをするタイプの選手ではない。そこを、監督からの指示ではなく自分で相手を分析して実行し、成功したという点がこの試合のハイライトの一つだった。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート