
【森雅史の視点】2025年3月29日 J1リーグ第7節 FC東京vs川崎フロンターレ
J1リーグ第7節 FC東京 0(0-0)3 川崎F
17:03 キックオフ 味の素スタジアム 入場者数33,632人
試合データリンクはこちら
83分、パスをカットされるとFC東京の守備は人数が足りなかった。2点を追う展開で、最後に意地を見せようと攻撃重視したという場面でもあった。 脇坂泰斗が独走し、GKまで引きつけてエリソンにパス。エリソンは楽々ゴールに流し込み、決定的な3点目を奪った。
FC東京は後半に入って3失点。4試合勝ちなし。降格圏も目の前。だが、それでもFC東京のサッカーは面白味を増しているし、進歩している。
ボール保持率は川崎44パーセントに対してFC東京は56パーセント。過去、何度もポゼッションサッカーに向けて歩もうとしたFC東京だったが、松橋力蔵監督就任以来、数カ月で大きく変化した。テクニカルな要素が増えて個人のアイデアも生かされている。
問題はアタッキングサードがまだ出来上がっていないこと。これは一朝一夕には出来上がらないだろう。なかなか点が取れず、勝点3を奪えないことにチーム、選手、そして監督がどこまで耐えられるか。あるいはうまい妥協点を見つけてとりあえずの勝点を稼ぐようになるのだろうか。この日の対戦相手、川崎に風間八宏監督が就任したころを思い出す状況のように思える試合だった。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート