
【田村修一の視点】2025年3月16日 J2リーグ第5節 ジェフユナイテッド千葉vs愛媛FC
J2リーグ第5節 ジェフユナイテッド千葉5(1-1)1 愛媛FC
14:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者数9,367人
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千葉が危なげない戦いぶりで愛媛を圧倒し、開幕5連勝を成し遂げた。
見せつけたのは「安定感」だった。昨季までのハイプレスかつアグレッシブでスピーディなプレーとは異なり、ミドルラインにブロックを構える守備で相手の攻撃をコントロールし、ユニットでサイドを崩してゴールチャンスを作り出す。開幕以来の一貫した戦い方は、チームのスタイルとして定着したといえる。許した先制点(8分、窪田)も、個人の突破によるもので組織を崩されたのではなかった。前半のうちに同点に追いつく(21分、石川)と、後半は次々と得点を重ね(50分、呉屋。56分、石川。72分、カルリーニョス・ジュニオ。89分、横山)、良さばかりが目立つ結果となった。
今後、上位陣やカップ戦でJ1勢との対戦の際に、インテンシティの強い相手に今のスタイルでどう対処していくか。小林監督のもと、2年間で培ったオプションを加味しながらの戦いに注目したい。
一方の愛媛は、キックオフ直後のアグレッシブな勢いを継続することができなかった。ゲームプランが実現できないのは、選手のメンタルに問題があるのか、それともプランそのものに無理があるのか。恐らく前者であるのだろう。勝利から遠ざかったチームが陥りがちな落とし穴だが、まだまだ時間はある。今一度コンセプトを徹底させて立て直して欲しい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。