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【森雅史の視点】2025年2月16日 J1リーグ第1節 FC町田ゼルビアvsサンフレッチェ広島

J1リーグ第1節 町田 1(1-0)2 広島
14:03 キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数12,773人
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昨シーズンの開幕戦のスタメンから、町田は9人が変わっていた。対する広島は3人。それだけ広島の成熟度は高いと言える。また、2005年から2024年までで、広島がJ1リーグ開幕をアウェイで迎えたときの戦績は4戦あり、3勝1分。つまりまだ負けたことがなかった。その経験値の差がハッキリ出た。

 

26分、センターサークル付近から相馬勇紀が単独ドリブルで突破し、大迫敬介を破って町田が先制した。町田が高い個人戦術を生かして試合を押し気味に進める。ところが20分の岡村大八、53分の菊池流帆と町田の3バックのうち2人が負傷交代すると様相は一変。町田は落ち着きを失い、ピンチが続く。したたかにチャンスを待っていた広島は、59分にFKのこぼれ球からトルガイ・アルスランが同点を決め、77分には中村草太がこぼれ球に詰めて逆転し、そのまま試合を終わらせた。

 

2024年の町田は広島に手も足も出なかった。その差は大きく縮まっている。だが町田は劣勢になったとき、一度ボールを落ち着かせたり試合の流れを大きく変えるようなプレーが見られなかった。去年から存在する問題はまだ解決されていない。ここからどうバリエーションを増やしていくか、指揮官たちの腕の見せ所になる。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート