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【森雅史の視点】2025年2月15日 J1リーグ第1節 横浜F・マリノスvsアルビレックス新潟

J1リーグ第1節 横浜FM 1(0-1)1 新潟
14:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数32,713人
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迷いの差が如実に表れたゲーム展開になった。

 

新潟は去年、手ひどい失敗をしたはずだった。2024年ルヴァンカップ決勝、新潟はGKも絡むパス回しからボールを奪われ先制点を失ったのだ。その後、新シーズンになって監督もチームも変わった。しかし新潟は自分たちに何も迷いがなかった。相変わらず相手をいやにさせるくらいボールを回し、相手のボールにはどんどんプレスをかける。その勢いに横浜FMは受身になり、立ち上がりから新潟ペースになった。

 

26分、左サイドのアーリークロスから太田修介が決める。15分からこのゴールまでは横浜FMがリズムを取り戻しかけていたのだが、この点でまた新潟が息を吹き返し、横浜FMは守勢に追い込まれた。横浜FMは3-4-3の両ウイングバックが高い位置を取れず、ボールを持ってもなかなか前に進めない。また各人がポジションに縛り付けられていて窮屈そうにプレーしていた。もっとももったいなかったのは渡辺皓太。昨シーズンは守備から上手く飛び出し、ペナルティエリア付近で意外性のあるパスを供給して攻守ともにセンスを証明していたが、この日はこぼれ球を読む才能しか見ることができなかった。

 

それでも同点に追いついたのは名門の意地だったと言えるだろう。77分、ペナルティエリアの中の接触でPKを獲得。これをアンデルソン・ロペスが決めてホームチームは面目を保った。横浜FMは3バックシステムを成熟させるのにもう少し時間がかかり、新潟は相変わらず侮れないチームであるのが明らかになった一戦だった。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート