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【六川亨の視点】2024年12月8日 J1リーグ第38節 浦和レッズvsアルビレックス新潟

J1リーグ第38節 浦和0(0-0)0新潟
14:04キックオフ 埼玉スタジアム 入場者55,184人
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引き分け以上で自力でのJ1残留が決まる新潟。過去のJ1での対戦成績は1勝6分け24敗と圧倒的に分が悪い。松橋力蔵監督も「不安を抱えるのは当然」と言いながらも、「気持ちが大事」と大一番に臨んだ。対する浦和はホーム最終戦であることと、興梠慎三と宇賀神友弥の現役引退試合ということでモチベーションは低くなかったものの、“勝利への執念”という点では物足りなさを感じた。試合は「スタメンは守備のタスクをパーフェクトにこなしてくれた」と松橋監督が振り返ったように、浦和の決定機は前半7分の渡邊凌磨の直接FKと、後半9分にタテパスに抜け出た原口元気が迎えたGKと1対1の2回だけ。しかしGK小島亨介のセーブに阻まれゴールを奪えない。一方の新潟もチャンスらしいチャンスは後半5分にサミュエル・グスタフソンのバックパスミスを拾った谷口海斗のロングシュートと37分に長倉幹樹が放ったヘディングシュートくらい。

 

前半終了時点で18位の磐田は0-2、16位の柏も0-1とリードを許していたので新潟の残留はほぼ決まっていたが、後半も攻守に選手を入れ替えて守備の強度を落とさず狙い通りのドローに持ち込んで、順位を1つ上げてシーズンを終了。J2降格が決まったのは鳥栖に0-3で敗れた磐田で、湘南に3-0で勝った神戸がこちらも自力でリーグ連覇を達成した。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。