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【森雅史の視点】2024年8月25日 J1リーグ第28節 東京ヴェルディvs鹿島アントラーズ

J1リーグ第28節 東京V 2(0-0)1 鹿島
18:04 キックオフ 味の素スタジアム 入場者数24,814人
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粘る鹿島は90分、鈴木優磨がPKを決めて1点差に迫った。その後何度も東京Vゴールに迫る。だが東京Vは体を張ったディフェンスでボールをはね返し、ボールをキープしたりうまくファウルを誘って時間を稼ぎ、しっかり2-1と逃げ切った。

 

東京Vが勝利を収めた要因は2つある。1つは城福浩監督が植え付けた守から攻への切り替えの速さ。相手から奪って最初にボールを置く位置がすでに攻撃の基点になる。その速さに鹿島は戸惑いを見せた。もう一つはヴェルディの伝統とも言うべき、ゲームの読みの的確さ。このまま蹴らせては次のプレーでやられる、という局面で躊躇わずにボールを奪いに行く。その試合のツボを感じる鋭さからはクラブの歴史を感じさせる。

 

鹿島は、前半から飛ばし気味だった東京Vの運動量が落ちてくるのをしたたかに待っていたことだろう。だがその間の63分、山見大登に先制点を奪われ後手に回った。さらに75分、追加点を奪われたのが致命傷になった。どちらも東京Vが一瞬の隙を突いたもの。その抜け目なさは本来は鹿島の持ち味のはず。その自分の良さを出せなかったことが敗因と言えるだろう。なぜ出せなかったというのかということには明確な一つの要因はない。今度はここで鹿島が気持ちの切り替えの速さを見せるときだ。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート