【田村修一の視点】2024年5月15日 J1リーグ第14節 柏レイソルvs湘南ベルマーレ
J1リーグ第14節 柏レイソル2(0-0)1 湘南ベルマーレ
19:03キックオフ 三協フロンテア柏スタジアム 入場者7,530人
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柏が湘南を逆転で下し、5試合ぶりの勝利をあげるとともに、順位も14位から12位に浮上させた。
ほぼ互角の展開だった前半から、後半にペースを握ったのは湘南だった。湘南のサイド攻撃に苦慮する柏に対し、左アウトサイド畑のロングパスを受けた池田が右サイドから入れたクロスを交代出場の福田が決めて湘南が先制した(73分)。
だが、そこから柏が反撃を開始する。マテウスサヴィオと細谷ら4人がパスを繋ぎ木下が決めた同点ゴール(77分)、島村のクロスを細谷が決めた決勝ゴール(91分)は、いずれも柏らしいスキルフルな美しさに溢れるものだった。U23アジアカップで奮闘した関根の低調は気になるが、同じく同大会で結果を残した細谷が2得点に絡んだことは、井原監督も指摘したように細谷個人にとってもまた柏にとっても、今後の上昇の起爆剤になるかも知れない。五輪本大会に向けても、さらなる成長をして欲しい選手である。
他方、狙い通りの戦いを実現しながら、終盤に逆転を許した湘南にとっては悔しい敗戦となった。攻撃を志向し、点を取って勝ち切ろうとする姿勢は極めて正しい。問題はプレーのクオリティにある。福田の退場(89分)というアクシデントもあったが、3バックにベテランを配した守備で、相手の攻撃を凌ぎきろうとしたが、高められたインテンシティに対応ができなかった。チームとしてどう対処していくのか。早急に解決すべき問題である。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。