【田村修一の視点】2023年10月3日 AFCチャンピオンズリーグ 川崎フロンターレvs蔚山現代FC
AFCチャンピオンズリーグ MD2 川崎F1(0-0)0蔚山
19:00キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数9,382人
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川崎がJDTに続き蔚山現代を下し、2連勝でグループIの首位に立った。
持ち味のパスサッカーが復活し、相手ボックス内に入っても決定的な形を作り出すまで崩そうとする川崎と、前線からではなくミドルプレスで中盤から川崎の攻撃を制限し、堅固な守備組織でゴール前ではスペースを与えない蔚山。盾(タテ=蔚山)と矛(ホコ=川崎)の戦いは盾に軍配が上がりかけたが、最後に均衡を破ったのは盾に生じたほんの僅かな隙を突いた矛(89分、川崎・橘田)のミドルシュートだった。
ともに100%を出し切っての試合ではなかった。蔚山にすれば、アウェーであるうえに移動も含め中2日での戦いでは、守備をベースにするのが最善の策であったのだろう。対する川崎も、選手交代はあっても戦い方自体は変えることなく、最後まで相手を崩し切ることを試みた。
リーグ戦はまだ始まったばかり。佳境を迎えるのは最終節の蔚山でのゲームであることは、鬼木達、洪明甫両監督ともによく理解している。とはいえ川崎にとって蔚山は、「アジアを獲るためには超えていかないと難しい」相手(鬼木)。この勝利の意味は大きい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。