【森雅史の視点】2024年3月29日 J1リーグ 第5節 東京ヴェルディvs京都サンガF.C.
J1リーグ 第5節 東京V 2(0-2)2 京都
19:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数10,060人
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剛よく柔を制す、という前半だった。立ち上がりから京都はアグレッシブなプレーで東京Vを圧倒した。京都の激しいプレスにホームチームはなすすべない。東京Vがいなそうとしてもそれを許さない迫力のある追い込みで2点を奪う。もっとも曺貴裁監督は、それが90分は続かないだろうと予想していた。
そして後半、立ち上がりこそ京都は主導権を握るものの、東京Vがギアを上げて柔よく剛を制する体勢に持ち込んだ。それでも京都は東京Vのパスミスを引っかけてカウンターを仕掛けようとするのだが、今季初勝利を渇望する東京Vの執念が上回る。PKで1点を奪うとアディショナルタイムに同点ゴール。
東京Vが後半京都を攻めるポイントにした、東京Vから見て京都のペナルティエリア右のポケットは、試合前に用意していたものだという。そこを攻めることでこの日の最後のゴールが生まれた。だがそれを前半狙いたくても狙えなかった。これがJ1の壁の一つかもしれない。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート