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【森雅史の視点】2024年2月21日 AFCチャンピオンズリーグラウンド16第2戦 横浜F・マリノスvsバンコク・ユナイテッドFC

ACLラウンド16第2戦  横浜FM 1(0aet0)0 バンコク・U
20:00キックオフ 横浜国際総合競技場 入場者数8,343人
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120+2分、アンデルソン・ロペスがPKでこの日の決勝点を決め、PK戦にもつれ込むのを阻止した。スコアだけで考えると、延長のPK1本で決まった、見どころの少ないゲームに思えるかもしれない。だが、これこそ真剣勝負という面白さの溢れる試合だった。

試合展開としては、ホームチームが押し込む、ほぼハーフコートゲーム。横浜FMは35本のシュートを浴びせた。だがバンコク・Uがパニックに陥らず、じっくりとチャンスを待つことができたので試合は締まった。また、横浜FMはそんなバンコクの狙いを十分に理解して、攻撃だけに神経を片寄らせすぎず、ボールを奪われたときには献身的に戻って相手の攻撃の芽を摘み続けた。

冷たい雨の降りしきる中、お互いに少しでもミスをすれば負けてしまうという状況の中で、両チームの選手たちは120分間集中力を切らさなかった。だからこそピッチから少しも目が離せない、緊迫感のある好ゲームになった。

最後は村上悠緋が突破して上げたクロスを相手DFが手で弾き、VARが介入してPKとなった。120分間休むことなく攻撃を続け、そしてフェアでクリーンに戦った横浜FMにとってこの勝利は正当な報酬だと言えるだろう。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート