【田村修一の視点】2023年11月12日 J2リーグ第42節 ジェフユナイテッド千葉vsV・ファーレン長崎
J2リーグ第42節 ジェフユナイテッド千葉1(1-1)3 V・ファーレン長崎
13:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者15,201人
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すでにJ1昇格プレーオフ進出を決めている千葉だが、リーグ最終戦を飾ることはできなかった。
前半は圧倒的に千葉のペース。プレーの強度とトランジション、スピードにはさらに磨きがかかり、その速さと展開の大きさに長崎は手を焼いた。ただし千葉は、同時に守備面での弱点も露呈した。長崎の同点弾は囲い込んだ守備陣の間のスペースを突かれ、2点目と3点目はミスによるもので、冷静に対処していれば起こりえないゴールだった。
千葉のような強度の高いチームが、構築の過程で守備に弱点を抱えるのはある意味仕方のないことではある。今後の課題としてポジティブに捉えるべきことではあるが、東京Vとのプレーオフではそうは言っていられない。恐らくは第39節(10月22日、味の素スタジアム。3対2で東京Vの勝利)以上に、強度の高いチーム同士の真っ向勝負になるだろう。そこでは小さなミスが命取りになりかねない。力の籠った熱戦になるのは間違いない。
長崎はプレー判断を速めることで後半には千葉の強度にある程度対応できるようになり、相手の守備の隙を突いて逆転に成功した。山形が甲府に勝ったためプレーオフ進出はならなかったが、カリーレ監督が語ったように実り多いシーズンであったのは間違いない。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。