【田村修一の視点】2023年9月10日 代表親善試合 ドイツ代表vs日本代表
代表親善試合 ドイツ代表1(1-2)4日本代表
3:45キックオフ フォルクスワーゲンアレナ 入場者24,980人
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日本代表が歴史的勝利を収めた。アウェーの地でドイツ代表に4対1と完勝。ただしセンセーショナルではあっても、戦前にドイツ人ジャーナリストの多くが日本の勝利を予想したように、ドイツサイドにとって日本戦2連敗は大きなサプライズではなかった。カタールワールドカップ当時と比べても、ドイツの力は明らかに落ちていた。
とはいえそれが日本の勝利の価値を減じるわけではない。ワールドカップ以降、日本が進化し続けてきたことを、選手たちはピッチの上でしっかりと証明した。
すべての面で日本の進化が感じられた。特に前半はポゼッションを志向してイニシアチブを握りながらの攻撃を展開した。右サイドにおける伊東と鎌田、菅原の連携の強化、ポストプレーヤーとしての上田の成長、左サイドでの伊藤の攻撃面での成長(リロイ・サネの突破には手を焼いたが)など、随所に進化がうかがえた。
後半は守備の安定を図り布陣も変えてドイツにポゼッションを許したが、得点機会をほとんど与えずカウンターで得点機会を幾度となく作り出した。試合を通して冨安、板倉両CBの守備力とパス能力が光り、フランスがワールドカップ初優勝を遂げた1998年当時のローラン・ブラン=マルセル・デサイーのCBコンビを彷彿させた。
森保監督も選手たちも、この勝利を冷静に受け止めている。その事実がこのドイツ戦の、最大の成果であると言えるかも知れない。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。