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【田村修一の視点】2023年6月15日 代表親善試合 日本代表vsエルサルバドル代表

代表親善試合 日本代表6(4-0)0エルサルバドル代表
19:14キックオフ 豊田スタジアム 入場者37,403人
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開始早々の失点と直後の選手退場とPK。スタートから大きなハンディキャップを背負ったのは事実だが、それも含めてエルサルバドルが日本の対戦相手として適切であったかという大前提の疑問がまず浮かび上がった試合だった。

10人のエルサルバドルに対し、日本はサイドを中心に積極的に攻めて得点を重ねた。右サイドでは久保と菅原が躍動し、旗手もワールドカップ落選の鬱憤を晴らすかのようなアグレッシブなプレーを見せた。代表初出場の森下も瑞々しい動きで存在感を示した。

だが、そうした個々のパフォーマンスとは別に、今回の代表戦の大きなテーマであり、森保監督が試合後会見で強調した縦に速い攻撃が本当に出来ていたかは疑問符がつく。相手が引いたこともあり、中央で有効な攻撃を仕掛けることができず、サイドの突破に頼らざるを得なかったからである。ポスト役として上田のプレーは不十分であったし、中盤の選手たちのダイアゴナルな動きも、味方を追い越してゴール前に抜ける動きもほとんど見られなかった。

次の対戦相手のペルーは、エルサルバドルよりもしたたかで巧妙な攻撃も仕掛けてくる。そんな相手に課題をどこまで修正できたか注目したい。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。