【田村修一の視点】2023年6月20日 代表親善試合 日本代表vsペルー代表
代表親善試合 日本代表4(2-0)1ペルー代表
18:56キックオフ パナソニックスタジアム吹田 入場者35,001人
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エルサルバドル戦に続き日本がペルーに快勝した。ただし早々に相手が10人となり、トレーニングマッチの様相を示したエルサルバドル戦とは異なり、ワールドカップ南米予選を9月に控えたペルーとの試合は、本来の意味でのテストマッチといえた。
日本の良さ――本来のプレーに加え、3月の反省を踏まえて準備してきた良さが存分に出た試合だった。開始から攻勢を仕掛けたペルーだが、警戒していた日本のプレースピード、トランジションの速さに対処しきれず伊藤のミドルシュートで先制を許すと前半のうちに三笘に追加点を決められた。後半も伊東と前田が加点。最後に失点したとはいえ、日本のクオリティの高さばかりが目立つ結果となった。
日本はサイド攻撃が効果的で、右サイドの伊東と菅原は幾度となくチャンスを作り出した。またエルサルバドル戦に続いて先発した旗手も、攻守のバランス良く中枢としてよく機能した。また得点こそなかったものの古橋も、トップとしての役割をエルサルバドル戦の上田以上にまっとうした。さらに交代出場の前田は、果敢なチェイシングとスピードで疲れの見えるペルーに大きな打撃を与えた。
実り多い試合であり、今後に繋がる試合でもあった。とはいえ止める、蹴るの基本技術に雑なところがあり、それが判断を遅らせてあるべきプレースピードの速さを損なっていたのも事実。
9月のヨーロッパ遠征ではさらなる進化を期待したい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。