【田村修一の視点】2023年6月24日 J2リーグ第22節 ジェフユナイテッド千葉vs大分トリニータ
J2リーグ第22節 ジェフユナイテッド千葉1(0-0)1大分トリニータ
19:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者6,931人
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3連勝と勢いに乗り、自動昇格圏内の2位に浮上した大分と、直近に3連敗を喫して17位にまで順位を下げた千葉。しかし前半は、千葉が積極的なプレスを仕掛けたて互角の展開が続いた。だが、前半終盤に千葉のプレスをかいくぐり大分が立て続けにチャンスを作ると、後半は大分が完全に主導権を握った。先制点も大分。そのまま勝ち切るかと思われたが、終盤反撃に出た千葉にPKを献上し、1対1の引き分けに終わった。試合後下平監督が悔しさを露わにしたように、大分にとっては痛恨に引き分けだったが、勝ち点1を拾った千葉の小林監督にも喜びはなかった。
この日の午後には元監督であったイビチャ・オシムの銅像の除幕式がオシムの遺族をはじめ田嶋幸三日本サッカー協会会長、神谷俊一千葉市長、杵渕正巳ボスニアヘルツェゴビナ日本大使を招いてしめやかに行われた。また試合前にはアシマ・オシム夫人の挨拶がピッチサイドであった。だが栄光は過去のもので、遺族の思いは戦う選手たちには届かない。また監督も選手も、そうした思いに応える余裕も力もない。過去は現在に繋がらない。今を生き残るための厳しい戦いが、千葉はこれからも続いていく。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。