【田村修一の視点】2023年2月17日 J1リーグ 第1節 川崎フロンターレvs横浜F・マリノス
J1リーグ 第1節 川崎F 1(0-2)2 横浜FM
19:04キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数 22,563人
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2023年シーズンの開幕戦は現王者の横浜FMが前王者の川崎を下した。両者の明暗を分けたスタートで、前週の富士フィルムスーパーカップに続く勝利をあげた横浜FMが、連覇に向け幸先のいいスタートを切ったのに対し、ゲームでは主導権を握った川崎は、課題がはっきりと浮き彫りになった。
Jのトップチームの対戦らしいインテンシティの高い好ゲームだった。横浜FMは川崎の圧力の前に受け身になったが、ラッキーな先制点の後も落ち着いてプレーを続け、最後までDFブロックの安定を保ち続けた。昨季の圧倒的な攻撃力を見せつけたわけではないが、強さをそのまま維持しながら新しいシーズンに入ったといえる。
他方、王座奪回を目指す川崎は、自分たちのペースでゲームをコントロールしながら相手ゴール前の守備ブロックを崩せなかった。負傷により長期離脱中のレアンドロ・ダミアンの穴を埋めきれず、谷口彰吾が移籍したセンターバックにも不安を抱える。マルシーニョのスピードは脅威だが、ゴール前に侵入する怖さはない。チームが高いレベルで安定するには少し時間を要する。今季は正念場であるのかも知れない。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。