J論 by タグマ!

【田村修一の視点】2022年9月27日 日本代表vsエクアドル代表

キリンチャレンジカップ2022 日本代表0(0-0)0エクアドル代表
13:55キックオフ(現地時間) デュッセルドルフ・アレーナ 入場者4,321人
試合データはこちら

 

前日会見での森保監督の言葉通り、アメリカ戦から完全入れ替えを敢行した日本がエクアドルと引き分けた。プレーのスピードも強度もアメリカを上回るエクアドルとの戦いは、互角の展開で引き分けは順当だが、ダニエル・シュミットのPKセーブに救われたように、負けていてもおかしくはなかった。

だが、この試合で結果以上に重要だったのは、完全ターンオーバーしたBチームでもチームプレーをそれなりのレベルで維持できたことであり、その状況下でチームとしてうまくいかないところ、選手個々の弱点が露呈したことだった。グループE第2戦の相手コスタリカの仮想敵国であるエクアドルを、Bチームで破ることには失敗したが、本大会に向けてチームに何が足りないか、スタメンではない選手に何ができてどこが足りないかを実戦で確かめられたのはこのうえなく有意義だった。旗手玲央を起用できなかったのは残念だが、三苫薫と相馬勇紀の具体的な起用法、南野拓実の使い方など、森保が数多くの具体的な情報を得たのは間違いない。結果的にこれ以上はないヨーロッパ遠征となった。あとは本番に向けてその素材をどう構築し、具体的な戦略を立てていくかである。

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。