【田村修一の視点】2022年7月6日 J1リーグ第20節 横浜F・マリノスvsサンフレッチェ広島
J1リーグ第20節 横浜F・マリノス3(1-0)0サンフレッチェ広島
19:03キックオフ 日産スタジアム 入場者13,311人
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拮抗したスリリングな展開の試合だったが、プレーのクオリティの差が勝負を分けた。スタートから攻勢に出たのは横浜FMだったが、アグレッシブで前がかりな守備で10分過ぎからは広島がイニシアチブを握る。だが先制点は横浜FM(前半32分)。後半も選手交代で右サイドからの攻撃も活発化させた広島に対し(前半は右サイドからの攻撃が目立った)、横浜FMは堅固なブロックを敷いて対抗し、得点機を着実にモノにして突き放した。
シュート本数では広島が横浜FMを上回っている(18本対13本)。だが、横浜FMのコレクティブなプレーは、アンジェ・ポステゴグルー前監督が就任した2018年以来の蓄積であるのに対し、広島がプレースタイルの変更を鮮明にしたのはミヒャエル・スキッベ監督が就任した今季から。その差は大きい。交代出場選手が全員活躍し、洗練された落着きを横浜FMが見せた一方で、この日広島が見せたのはナイーブで粗削りな魅力だった。両者の今後に注目したい。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。