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【森雅史の視点】2022年5月4日 J2リーグ第14節 東京ヴェルディvsベガルタ仙台

J2リーグ第14節 東京V 3(1-1)1 仙台
14:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数12,521人
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試合を通じて積極的に主導権を握ったのは東京Vだった。立ち上がりからプレスをかけ、まだ様子を見ているような仙台を圧倒すると、3分には左サイドを杉本竜士が崩してクロスを上げ、森田晃樹がヘディングで先制点を決める。

仙台が個人で圧倒したのは23分。フェリペ・カルドーゾが重戦車のドリブルでペナルティエリアまで進出すると皆川佑介へ。皆川のシュートはクロスバーに跳ね返ったが名倉巧が蹴り込んで同点とした。

ともにリズムを掴む時間帯があった前半に対して、後半はホームチームがペースを握ると離さなかった。ハーフタイムで左サイドの杉本に代わってバスケス・バイロンを右サイドに投入し、前半は右サイドだった新井瑞希を左サイドに入れる。堀孝史監督はこの交代を「いろいろあって」と意図的とばかりは言い切れないかのように言葉を濁したが、実際には大きく試合を左右した。

27分、新井が左サイドを崩してクロスを上げると佐藤凌我がピンポイントで会わせて追加点。85分にはまたも新井が突破して逆サイドのバスケス・バイロンが落ち着いて3点目を奪った。原崎政人監督は自分たちの強度が足りなかったことを悔やんだが、同じサイドを3回崩されたことを考えると、その穴の修正が難しいことが読み取れる。そしてその穴を東京Vは粘り強く攻め続け勝利をたぐり寄せた。

東京ヴェルディでホーム観客動員が1万人を超えたのは2018年11月11日の讃岐戦以来。堀孝史監督が「後押しされた」と振り返るように、東京Vが最後まで積極的な姿勢を保てたのは多くの観客の前でプレーできたことも要因の一つかもしれない。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート