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【森雅史の視点】2021年10月2日 J1リーグ第31節 川崎フロンターレvsFC東京

J1リーグ第31節 川崎フロンターレ 1(1ー0)0 FC東京
17:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数9,789人
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約1年前の2020年10月7日、川崎はFC東京と等々力でルヴァンカップ準決勝を戦っていた。リーグ戦では結局2位に勝点18という大差をつけて優勝した川崎はこの日も圧倒的な力を見せる。11本のシュートをFC東京に浴びせかけ、逆にFC東京のシュートは5本に抑えた。ところが試合はFC東京が2-0とモノにする。攻め続ける川崎にわずかに出来た隙をFC東京は見逃さなかった。

そしてこの試合、FC東京は攻めに攻めた。12本のシュートで川崎のゴールを脅かす。連戦の川崎は疲労の色濃く、選手の動きが少なくてパスミスも多い。特に左サイドはマルシーニョと登里享平の連携が合わず、シュートはFC東京の半数ノ6本しか飛ばせなかった。

だが前半終了間際、この試合で初めてマルシーニョから登里というパスがタイミングよくつながり深くえぐってクロスを上げる。そのふわりと上がったボールにレアンドロ・ダミアンが頭をねじ込みヘディングで決勝点。後半に入ると川崎は守備を固め、身体を張ったプレーでゴールを守って1-0のまま試合を終わらせた。1年前の展開を鏡に映したような展開だった。

選手個人の見どころとしては長友佑都に対して家長昭博、山根視来、小林悠という曲者をぶつけたところだった。長友はアダイウトンと連携してチームのバランスを崩さないように抑え込み、時を見ては長い距離をダッシュして攻撃にも参加した。この日の長友は両チームを通じて最長の10.920キロを走り、両チームの誰よりも多い19回のスプリントで左サイドに君臨した。それだけに悔しさはより募ったかもしれない。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート