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【森雅史の視点】2021年7月24日 J1リーグ第22節 サガン鳥栖vsセレッソ大阪

J1リーグ第22節 サガン鳥栖 3(3-1)3セレッソ大阪
19:03キックオフ 駅前不動産スタジアム 入場者数8,330人
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走力に勝る鳥栖が疲労の色が濃く出ているC大阪と対戦するとどうなるか。その答えはすぐに出た。1分、8分と鳥栖は立て続けにゴールを挙げてリードを奪うと、自分たちのパスミスから18分に失点するものの、45分プラス1分に樋口雄太がハーフラインからのドリブルに続いて見事なミドルシュートを決めて3点を奪った。後半に入りやっとエンジンがかかったC大阪は、69分に加藤陸次樹がこぼれ球を蹴り込んで1点差とするが、その後も活動量豊富な鳥栖のほうが押し込む展開に。

ところが42分、坂元達裕の突破を止めきれずPKを与えて同点とされる。C大阪はその勢いのまま攻め続けるが、鳥栖はギリギリの粘りを見せ、最後は引き分けで終わった。鳥栖にとって誤算だったのは終盤に投入した2人の外国人FW、オフォエドゥとドゥンガはまだ連携があっておらず、鳥栖のリズムを作れなかったことだろう。新戦力を慣れさせるのなら3-1の段階で投入していたほうがチームにとっても選手にとってもよかったのではないだろうか。途中交代した酒井宣福の出来がすばらしかっただけに悔やまれる采配となった。

それにしても鳥栖のゴール裏に出ていた「全ての膿を出し切り、新しい道を歩もう」という横断幕は何を意味するのだろうか。残念ながらまだ当事者に話を聞くことはできていないが、新スポンサーがついて順調な歩みを始めたように見えるクラブだが不安要素があるのかもしれない。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート