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【熊崎敬の視点】2021年7月11日 J1リーグ第22節 柏レイソルvs鹿島アントラーズ

J1リーグ第22節 柏レイソル2(0-0)1鹿島アントラーズ
19:03キックオフ 三協フロンテア柏スタジアム 入場者数3,854人
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スペースを空けない固い守備と、カウンターからの豪快な2ゴール。中断期間前、最後の試合で柏がホームゲーム6試合ぶりの勝利を挙げた。

5バックで鹿島の攻撃をしっかりと受け止め、ボールを奪うと間髪入れずにクリスティアーノを縦に走らせ、少人数でゴールを狙う。非常にシンプルな形だが、これが功を奏した。最終ラインに人数を割き、中盤を明け渡したことで、前に出てきた鹿島の背後を効果的に突くことができたからだ。

クリスがタッチライン際を全力で駆け上がると、スタジアムのボルテージは一気に高まり、チーム全体が勢いづく。日立台に、ひさしぶりに心地いい熱気が戻ってきた。

この試合では両チーム併せて9人のブラジル人がピッチに立ったが、彼らのクセのあるボールタッチも印象に残った。とくに後半からピッチに立った鹿島のカイキは、胸にボールを乗せたまま、背後の敵を強引に押し返すなど、随所に独特のタッチを見せた。プレッシャーを受けて、すぐにボールを離すのではなく、手練手管を尽くして敵の裏を突こうとする。こうした部分は大いに学ぶべきところがある。

 

 

 

熊崎敬(くまざき・たかし)
1971年生まれ、岐阜県出身。主な著書に「サッカーことばランド」(ころから)、「日本サッカーはなぜシュートを撃たないのか?」(文春文庫)がある。海外を旅して草サッカーの見物、サッカーにまつわる壁画の発掘をライフワークとする。