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【熊崎敬の視点】2021年3月13日 J1リーグ第4節 川崎フロンターレvs柏レイソル

J1リーグ第4節 川崎フロンターレ1(0-0)0柏レイソル
17:33キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数4,744人
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勝敗を分けたのは途中出場、三苫のドリブル。80分、塚川からのパスを受けると、一気の加速で対峙する高橋峻を置き去りにして左サイドをえぐり、家長のゴールをお膳立て。粘る柏に大きなダメージを与えた。

三苫をいかにして封じるか。

この問題を上手く解決したチームは、ほとんどない。柏も健闘したが、三苫ひとりに3度のビッグチャンスを作られた。
三苫対策でひとつ考えられるのが、ゴール前の守備の整理だ。彼のスプリントを完全に封じるのは難しい。ならば、左サイドを深くえぐられるのは前提として、守備体制を整えるということだ。柏守備陣も、失点シーンでは三苫に引きつけられ、背後を大きく空けてしまった。

では、三苫に左サイドをえぐられたとき、どうすればいいか。

2CBと右SBの3人でニアポストからファーポストにかけてラインを作り、その前方にできるスペースをMFふたりで埋める。ボールに引きつけられて混乱したりせず、あらかじめ決められたスペースをしっかり埋めるということ。こうした守りは清水の新監督ロティーナが得意としている。

三苫を止めるのも重要だが、抜かれてサイドをえぐられたとき、どうするか。そのときの対応を盤石に整えることが、三苫封じ、ひいては打倒川崎につながるのではないか。

 

 

 

熊崎敬(くまざき・たかし)
1971年生まれ、岐阜県出身。主な著書に「サッカーことばランド」(ころから)、「日本サッカーはなぜシュートを撃たないのか?」(文春文庫)がある。海外を旅して草サッカーの見物、サッカーにまつわる壁画の発掘をライフワークとする。