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【六川亨の視点】2021年6月19日 J1リーグ第18節 横浜FCvsFC東京

J1リーグ第18節 横浜FC0(0-1)1FC東京
18:01キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場 入場者数3,537人
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代表ウィークによる中断後、約3週間ぶりに再開されたJ1リーグ第18節。いまだ1勝止まりで勝点7の最下位・横浜FC。一方のFC東京は天皇杯の初戦(2回戦)で順天堂大に敗退したものの、ルヴァン杯のプレーオフステージ第2戦ではブラジル人トリオのゴールで4-1と快勝し、決勝トーナメント進出を決めた。

長谷川監督も「この勢いを持続することが大事」と言って臨んだ横浜FC戦では、ディエゴ・オリベイラ、アダイウトン、レアンドロのブラジル人トリオが今シーズン初めてスタメン出場を果たした。しかし序盤で試合の主導権を握ったのはホームの横浜FCだった。ミドルサードでFC東京の落としのパスをカットしてショートカウンターを仕掛けた。19分と28分に決定的な場面を作るが、あと1歩のところでGKとDFのファインプレーにゴールを奪えない。後半11分には波状攻撃からジャーメイン良のシュートをブロックした際にハンドがあったとして西村主審はPKの判定を下した。残念ながらVARとオンフィールドレビューの結果、ハンドは認められず右CKの判定に変わった。ここらあたり、ツキにも見離されていることが低迷の原因であり、それは勝ったとはいえ今シーズンのFC東京にも当てはまるだろう。

試合は前半31分、アダイウトンのパスを受けたレアンドロがドリブルでカウンターを仕掛け、彼のタテパスを受けたディエゴ・オリベイラの折り返しを受けたアダイウトンがGK六反の股間を抜いて決勝点とした。3人で仕掛け、3人で完結した攻撃に、長谷川監督も「期待通りのプレー」とブラジル人トリオの活躍に満足気だった。

横浜FCにとって惜しかったのは後半45分のプレーだ。交代出場の中村俊輔が右CKからクロスを送ると、同じく交代出場の渡邉がフリーで決定的なシュートを放つ。しかし叩きつけたヘディングシュートは惜しくも左ポストをかすめて外れた。中村のクロスは高く上がりながら大きく曲がった。その軌道は全盛時を彷彿させるものだった。次もまた見たい。そう思わせる中村の高精度のクロスだった。

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。