【田村修一の視点】2021年6月10日 国際親善試合 日本女子代表vsウクライナ女子代表
国際親善試合 日本女子代表8(4-0)0ウクライナ女子代表
15:15キックオフ エディオンスタジアム広島 入場者796人
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「あまりにも技術が違い過ぎる。なぜ試合に呼んだのか。15分過ぎからは意識を失うほど大変だった。選手たちはよく頑張った。(……)この暑さのなかでわざわざ呼んで試合をやる意味がわからない」
試合後のナタリア・ジウチェンコ監督のコメントは、怒りに満ちていた。30年サッカーの取材を続けているが、負けた監督がミスマッチに憤るシーンを見るのは初めてだった。男子五輪のガーナU24代表もそうだが、コロナ禍で呼べるチームが限られているのはわかる。だが、五輪に出場するチームとしないチームでは、モチベーションも準備もメンバー編成もまったく異なる。ときにこうしたスパーリングも必要だが、なでしこの場合は4月の2試合も含めスパーリングばかりである。選手の選考やコンビネーションの確立、暑さへの対処など有意義な点もあるが、強い相手と戦わないと見えてこない問題はたくさんある。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。