U-24日本代表ストライカー林大地(サガン鳥栖)の恩師、坂本康博氏に電話で取材してみた
これまで世代別代表に呼ばれたことは一度もなかった男が、大仕事をやってのけた。
U-24アルゼンチン代表と二試合の国際親善試合を行ったU-24日本代表だが、第一戦は0-1という点差以上の完敗となった。迎えた第二戦、3-0で勝利を収めた日本の立役者の一人がワントップに入った林大地だろう。
今回の招集は堂安律の不参加を受けてのもの。林に対する期待感は高くなく、試合後も『遅れてきた男、ビースト林大地が代表初ゴール』(日刊スポーツ)『U-24日本代表、林大地とは何者?』(フットボールチャンネル)と題されたくらいだ。Wikipediaにも、現時点ではほとんど情報がない。
それもそのはずで、林がブレイクしたのは大阪体育大学に入ってからである。
ということで、大阪体育大学時代の恩師で現在は名誉監督の坂本康博氏(現:関西国際大学総監督)に電話取材したので、意訳とはなるが紹介したい。
■坂本康博氏とは?(参照リンク)
「私が最初に指導にあたった時は、ボールを貰おうと動きすぎてしまっていました。でも、私は逃げ回るFWはダメだと思っている。バイタルエリア付近でボールを受けることが出来て、相手DFと勝負が出来ないといけない。
では、どうすればバイタルエリアで勝負できるFWを育てられるのか?
必要なのは、ステップワークなどの予備動作。トラップといった技術。そして、相手をコントロールする接触技術です。
大地のプレーを見て、『体幹が強い』と評される方もいると思いますが、そうではない。どのように接触しているのか。そこを見てほしい。
大地の先制点のポイントは、ステップワークはもちろん、トラップです。アウトサイドでトラップしているんです。あのトラップが出来ないと得点に繋がらない。シュートもただ蹴っているだけではない(参照リンク)。
第二戦は、アルゼンチンにコンディションの問題もあったかもしれないが、大地には、この試合のように速いボールを入れていけば、国際大会でも充分に通用すると思っている。大学時代から、守備でのハードワークは要求してきたし、『逃げるな』とも指導してきた。アルゼンチン戦のようなプレーを今後も期待したいですね。」
坂本名誉監督は、「一流選手は難しいプレーを簡単にやります。そのプレーをするまでの前のプレー、予備動作を見るのが大切です。ただ、これは誰かが解説してくれないと気付かないかもしれない。たとえば、シュート。テレビ解説では「シュートが外れました」「相手が寄せてきましたからね」で終わりますが、実際には、ボールを貰うまでの予備動作、さらにシュートのフォームを見る必要がある」とも教えてくれる。
世界を目指す選手たちには、ワールドクラスのベストゴールズを見てほしいものだ。