ここは緑の巣窟。立川にストラスあり!(海江田哲朗)
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ここは緑の巣窟。立川にストラスあり!(海江田哲朗)(J論プレミアム)
『タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。
『Restaurant Bar STOLAS』の村岡和寿さんと、たまの会長のあられもないお姿。後ろで料理をする知美さん。
ここは緑の巣窟。立川にストラスあり!(海江田哲朗)[えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』]三十一段目
■柴犬の名前の由来からわかるヴェルディ愛
立川駅北口から徒歩6分、シネマ通りの路地裏にある『Restaurant Bar STOLAS』(以下、ストラス)。ヴェルディサポーターの夫婦が小さな店を切り盛りしている。
バーテンダーの村岡和寿さんとシェフの知美さん、そして忘れてはいけないのが柴犬のたまの(メス・13歳)だ。名前の由来は元東京ヴェルディの玉乃淳さんである。今年、アルビレックス新潟のゼネラルマネージャーに就いた。お客さんのおよそ7割が柴犬つながりだというから、その人気は相当なものだ。たまのは長く店長を務めてきたが、先頃、会長職を用意され一歩引いた立ち位置を取ることになった。
最初に出てきたのは、北海道男爵芋と真鯛とそら豆のポテトサラダ(580円)。ジャガイモの歯触りがよく、そら豆の風味がふわっと薫る。
キッチンが手狭なため、注文が重なると和美さんはてんてこまいだ。が、出てくる料理は
どれもこれも美味い。よって、待つのは一切苦にならない。
ドリンクは客の希望に合わせ、ノンアルコールのカクテルもつくってもらえる。下戸の僕にはありがたく、だいたいモヒートか自家製ジンジャーエールを注文するのが常だ。
ストラスは2010年7月にオープンし、もうすぐ節目となる10周年を迎える。この10年、東京ヴェルディにおいて景気のいい話はごくわずかだったが、それでもああだこうだと楽しく語らう夜が何度もあった。
7坪のこぢんまりした店内には、カウンター席とテーブル席がふたつ。3密の心地よさが、まさか仇になろうとは想像できるはずもない。
「昨秋の消費税のアップ以降、新しいお客さまが減っているところにきて、今回の新型コロナウイルスですからね。ダメージはより大きかったですよ」(和寿さん)
立川のシネマ通り。この看板が目印だ。これをデザインした僕の妻はいい仕事をしたと思う。
■大事な拠点の大切さ
本来、転勤や進学で人の動きが多い春は、新規客の獲得チャンスである。新型コロナの感染拡大は、その時期を直撃した。
「3月に入ってから影響が顕著に表れてきて、都知事の自粛要請の発言が決定打に。聞いた瞬間、これはもう厳しいなと感じました」
3月30日、東京都の小池百合子知事は緊急の記者会見を開き、夜間に営業しているバーやナイトクラブなどへの出入りを自粛するよう、都民に求めている。唐突に名指しされた側は、対応に窮するのが当然だ。
たけのこの素揚げ 三種のお塩(680円)。さくさくして旨いなあと味わいつつ、抹茶塩の苦みが口に沁みた。
心尽くしの料理を出し、お客さんに快適な時間を提供する。こうして、こつこつまじめに
商売をやってきただけなのに、どうしてこんなふうに追い詰められるんだろう。天災とはそういう性質なのだけれど、これをハイそうですかとすんなり受け入れられようか。
「休業補償や助成金をどこまであてにできるかわからない。まずは自分たちでやれることをやらないと」
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