J論 by タグマ!

【東京V】【練習レポート】『すべては立ち位置の取り方次第』9月8日(日) J2第31節 レノファ山口FC戦 19:00 味の素フィールド西が丘

有料WEBマガジン『タグマ!』編集部の許可の元、タグマ!に掲載されているJリーグクラブ記事を全文掲載いたします。


【無料記事】【練習レポート】『すべては立ち位置の取り方次第』9月8日(日) J2第31節 レノファ山口FC戦 19:00 味の素フィールド西が丘(19.9.6)スタンド・バイ・グリーン

永井秀樹監督の身振り手振りを交えた指導。
永井秀樹監督の身振り手振りを交えた指導。

■マイボールにした直後のポジショニング

いかに東京ヴェルディのスタイルを確立するか。永井秀樹監督の地道な取り組みが続いている。

5対2のセッション。「中を締められたら、外。相手を引き寄せて逆へ!」、「そこでステップを踏めるかどうかなんだよ。相手が寄せてきても、こうやって少し下がればパスコースをつくれるだろ?」と永井監督の厳しい声が飛んだ。

次の8対8のセッションは、ボールを保持する側はひし形をつくり、プレスをかいくぐって前進するトレーニングだ。外と中で細かくボールの出し入れをしながら相手を動かし、開いたところにパスを通す。一方、守備側は連携を取りながら包囲網を狭め、ボール奪取を試みる。攻守が目まぐるしく入れ替わり、かなり激しいボディコンタクトが繰り広げられた。

持ち前のきびきびした動きでチームを引っ張る梶川諒太は言う。

「第一優先は縦パスを狙うこと。中を締められたらサイドに開き、相手を逆に振る。外で2タッチ入ったら中に入らなければいけないといった決め事がいくつかあります。何より、ボールにかかわれるポジションを取ることが大事。そのあたりの巧拙はゲームに現れますね」

前節のV・ファーレン長崎戦、東京Vは完敗を喫した。梶川は敗因の主たるものをどのように捉え、次につなげようとしているのか。

「ポゼッションで負け、守備のところで疲れさせられ、あれでは自分たちのよさは出せない。マイボールにした直後が問題だったと思います。切り替えを早く、たとえばワイドの選手が相手より先にいい立ち位置を取れれば優位に立てたはずです。長崎戦で出た課題を、次のゲームに生かしたい」

8日のJ2第31節、12位の東京ヴェルディは15位のレノファ山口FCと対戦する(19:00 味の素フィールド西が丘)。新加入のジャイルトン・パライバは登録選手の追加が完了。弾丸のようなドリブル突破、その猛威にスタジアムはどよめくだろう。

当日、台風15号の襲来が心配されるが、天気予報はいまのところ曇時々雨。チケットのご購入はヴェルディチケットまで。

攻守の切り替えの鬼である梶川諒太は、その特長をいかんなく発揮している。
攻守の切り替えの鬼である梶川諒太は、その特長をいかんなく発揮している。

《クラブウオッチ》
山口戦は、選手着用モデルのユニフォームパンツやインナー、スパッツ、実際に選手が使用したウェアを大放出する『アウトレット販売会』が開催される。「ピンクのインナーなど、一般には出回らないヴェルディ仕様の商品はレア度が高いですよ。毎年、この販売会はご好評いただいておりまして、かなりの売り上げがあります」と、商魂たくましくそろばんをはじくクラブ関係者。販売は14時からハーフタイム終了まで。数に限りがあり、目当てのウェアがある人は西が丘へ急げ。

[今季の1試合平均入場者数] 5,379人( → 16/22位)
過去3シーズンの1試合平均入場者数
2016年 5,402人
2017年 6,206人
2018年 5,936人

●ランド地獄耳●
▼ユースまでは先輩後輩の間柄で、トップ昇格は同期となった森田晃樹と山本理仁。森田の知られざる一面が明らかとなり、山本は驚きを隠せない。「あんなに楽しくはっちゃける人だったなんて。晃樹くんは先輩でキャプテンだったし、僕らの前では威厳のある態度を心掛けていたのかも。いまではひまさえあればボケて、ボケて、ボケ倒してますよ」。おい、どこにスキルポイント振ってんの?
▼中身のぎっしり詰まった堂々たる体躯で、クラブハウスのなかをのしのし歩くクレビーニョとジャイルトン・パライバ。ソファーにどっかと腰掛け、「ヘイ、マツー!」とジャイルトンが叫ぶ。早く家まで送ってくれよ、ということらしい。やがて現れた松澤周平通訳(現在は主に練習のサポートスタッフを務める)は、ふたりの肩に手を回し、「ほんとにもう、おれのことが好きなんだから」とかなんとか言いながらキャッキャとじゃれ合っている。その手練手管は完全に猛獣使いのそれ。

【永井用語 初級編 四】
はじく
「ディフェンスが食いついてきたら、素早く逆方向にパス。相手をギリギリまでおびき寄せて、パンとはじく。一般的にはボールを『はたく』なのかもしれませんが、ニュアンスが違うんだな。自分のイメージでは、はじく、なんですよ」
練習の行われているピッチでは、「はじけ、はじけ、はじくためのトレーニングだぞ」という永井監督の声が響き渡る。感覚的には、ボールをはじくと同時に、相手もはじいちゃう感じだろうか。

*****
スタンド・バイ・グリーン」のオススメ記事

【新東京書簡】第六十二信『時代とともに移り変わるランド育ち』海江田(19.9.4)

【マッチレポート】J2-30[A] V・ファーレン長崎戦『にっちもさっちも』(19.9.1)