新潟な私がなぜ湘南応援番組のMCを務めることになったのか(えのきどいちろう)
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『タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。
新潟な私がなぜ湘南応援番組のMCを務めることになったのか(えのきどいちろう)[えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』]十六段目
驚いたことに8月からスカパーで新番組が始まった。スカパー!チャンネル「EXスポーツ&バラエティ」で月イチ放送の『湘南百人百話』(初回放送は毎月第2火曜日20時半~21時、リピート放送あり)。タイトルを見ておわかりかと思うが、これは湘南ベルマーレ応援番組だ。
ものすごく謎な展開だと思う。新番組がシーズン開幕のタイミングでなく8月に始まるのも異例だし、僕がベルマーレの番組MCを担当するのも異例だ。えのきどといえば10年以上、アルビレックス新潟オフィシャルにコラムを掲載してるんじゃなかったか。えのきどはアルビを見限るのか。夏の移籍で「個人昇格」か。
結論から言うとアルビの仕事はあんまり変化がない。あいにくお金にならない仕事で、片道の新幹線代で足が出てしまうから、そうしょっちゅうビッグスワンへは行けない。DAZN観戦で済ませることも多いのだが、春夏は青春18きっぷを使うなど工夫している。青春18きっぷはアルビの仕事を始めるまでウワサに聞いていた程度だった。「18歳以上でも使えるの?」とひとに尋ねたくらいだ。でも、今は満喫している。宮内駅の青島食堂や新津駅の新津温泉といったマニアックなスポットにも立ち寄ることができた。友人知人だっていっぱいできた。お金にならない仕事も悪くないのだ。
が、スカパーの仕事はなるべく引き受けたい。僕をサッカーの世界に連れてきてくれたのはスカパーで、それについては大きな恩義があるのだ。2002年日韓W杯の放映権を買ったスカパーはどういうわけか僕に情報番組MCの依頼してきた。僕は文化放送朝ワイドのパーソナリティーを降板したばかりで、一般的にはサッカーのイメージは皆無だった。
そのとき誕生したのが『ワールドカップジャーナル』というトーク番組だった。日韓大会の1年前からスタートし、大会までは毎週1時間、大会が始まってからは毎日2~3時間というハードな仕事だった。基本的にはテーマ主義で毎回、企画に合わせたゲストをお呼びして話し込む。番組MCというより雑誌のインタビューのつもりで取り組んだ。これが大好評を博したのだ。
この仕事のおかげですっかりサッカーが好きになり、『サッカーマガジン』にも連載を持つことになった。その連載の第1回が平塚でW杯キャンプを張ったナイジェリア代表vs湘南ベルマーレの親善試合の記事だった。僕はベルマーレのインデペンデントな在り方にずっとシンパシーを抱いている。そのことはアルビ公式の記事でもはっきり表明してきた。
だから僕としてはスカパーサッカーへの恩返しでもあり、サッカー取材の原点回帰でもあるような魅力ある仕事なのだ。たぶんベルマーレの現場へ通う回数が飛躍的に伸びて、自分に新しい引き出しをつくってくれるんじゃないかと期待している。
記念すべき第1回は、僕のたっての願いで大野和成選手になった。もちろん僕はアルビレックス在籍時に面識がある。一緒に新潟ローカル局のTV番組に出演したこともあった。大野選手は新潟県上越市出身の「御当地選手」で、とても人気があった。
が、彼はアルビのキャプテンとしてチームを支える立場でありながらベルマーレへ移籍してしまう。一度レンタルで世話になった縁があるとはいえ、あんまりじゃないか、裏切るつもりか、と批判が噴き上がった。そのいきさつについて大野は一切口をつぐんでしまう。僕は彼の人となりを知ってるから、何かあったんだなと思った。
僕は第1回の『湘南百人百話』でそこに斬り込んだ。アルビのキャプテンとして何に苦悩していたか。今またベルマーレのキャプテンを務めるに当たってどんなことを考えているか。大野和成にとってのベルマーレとはどんなものか。
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