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サッカーパックでこれを読もう!『今週の宇都宮徹壱おすすめ3本』(5/27~)

有料WEBマガジン『タグマ!』編集部の許可の元、タグマ!に掲載されている有料記事を一部掲載いたします。


サッカーパックでこれを読もう!『今週の宇都宮徹壱おすすめ3本』(5/27~)J論プレミアム

タグマ!サッカーパック』ユーザーに向けて、サポートクラブ以外のコンテンツをご案内するコーナーが復活。5月は私、宇都宮徹壱が「これは!」と思った記事をおすすめとして紹介していく。先週末は愛媛でJ2と天皇杯を取材していたので、J1の試合はどうしても後追いになってしまった。そんな中、個人的に気になったのが、松本山雅FCが名古屋グランパスとのアウェー戦に1-0で勝利した試合。さっそく『タグマ!サッカーパック』で、両チーム番記者のコラムを読み比べてみたい。


【名古屋vs松本】レビュー:杉本太郎の『令和初ゴール』を最後まで守り抜き、豊田スタジアムで『令和初勝利』を飾る!(松本雷鳥通信)

松本は前節、鹿島アントラーズに0?-5で大敗。危機感をもって臨んだ名古屋戦では、前半16分に杉本太郎の「令和初ゴール」で先制する。このゴールについて『松本雷鳥通信』の多岐太宿さんは《中谷進之介のタックルに阻まれたものの、前田ばかりに気を取られていた名古屋守備陣の視界に杉本の姿は映っていなかったこぼれ球を左足一閃、ついに喉から手が出るほど欲していたゴールが飛び出した。》と記している。では、このシーンを名古屋側は、どう捉えていたのだろう。

【名古屋vs松本】レビュー:誤算が呼んだ”ゼロウノ”の敗戦。自らの隙を理解した名古屋は、成長への糧をまた一つ手に入れた。(赤鯱新報)

『赤鯱新報』今井雄一朗さんの見立てはこうだ。《中谷進之介のチャージで両者が倒れた時、思考が停止したかのように選手の足が止まったのも、セルフジャッジの問題を含めて反省すべき点だ。(中略)この数秒の気の緩みが杉本太郎の一撃を呼び込んでしまったのは間違いない。》と、セルフジャッジが失点の原因であったと指摘。このように、ひとつのゲーム、ひとつのシーンを立体的に振り返ることができるのが『サッカーパック』の有り難いところ。敗れた名古屋は、この敗戦を「成長への糧」としてほしいところだ。

Jリーグ担当審判員の1月からYBCルヴァン杯決勝までの舞台裏を追ったドキュメントDVD『審判』先行発売記念、小川佳実JFA審判委員長インタビュー【無料】(石井紘人のFootball Referee Journal)

前節の浦和レッズ対湘南ベルマーレで発生した「世紀の誤審」問題が収束に向かう中、石井紘人さんがJFAの小川佳実審判委員長にインタビューした記事が目を引いた(取材そのものは、問題の試合の前に行われたようだ)。これは石井さんがプロデューサーとして関わった、ドキュメントDVD『審判』のプロモーションを兼ねたものであるが、宣伝臭さはまったく感じさせない。

とりわけ印象に残ったのが《(審判を)守るというのは、隠すことではありません。オープンにすることで正しい情報を伝えて、それを元にして批判も含めてメディアの皆様に書いて頂き、ファンの皆様に伝えて頂くこと》という、小川審判委員長の言葉。他にも、今回の事案を踏まえながら読むと、さまざまな示唆を読者に与えてくれる。これほどの内容が、無料公開されていることも含めて、高く評価したい。

宇都宮徹壱(うつのみや・てついち)

写真家・ノンフィクションライター。
1966年生まれ。東京出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、TV制作会社勤務を経て、97年に「写真家宣言」。以後、国内外で「文化としてのフットボール」を追い続け、スポーツナビを中心に積極的な取材活動を展開中。FIFAワールドカップ取材は98年フランス大会から、全国地域リーグ決勝大会(現地域CL)取材は05年大会から継続中。
10年に有料個人メールマガジン『徹マガ』を開始(16年6月末まで)。16年7月より『宇都宮徹壱WM(ウェブマガジン)』の配信を開始。

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