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【審判批評】横浜Fマリノス×サガン鳥栖ブルシッチのハンドリング、浦和レッズ森脇とFC東京東のファウルは逆でイエローカード?モンテディオ山形×FC琉球戦のGK櫛引のPKストップ

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無料:横浜Fマリノス×サガン鳥栖ブルシッチのハンドリング、浦和レッズ森脇とFC東京東のファウルは逆でイエローカード?モンテディオ山形×FC琉球戦のGK櫛引のPKストップ【審判批評】石井紘人のFootball Referee Journal

先日、『Jリーグジャッジリプレイ』(DAZN)が公開され、今回は3つのシーンが取り上げられた。

一つ目は、横浜Fマリノス×サガン鳥栖戦の25分、ブルシッチの肘にボールが当たったシーン。

レイ・オリバーJFA審判委員会副委員長は「腕は体から離れ、自然に大きくみせている。上げた腕でシュートをブロックしており、ハンドリンクを適用し、警告、PKとすべきだった」と”未必の故意”だったと分析した。

とは言え、非常に難しい見極めで、試合後に横浜Fマリノス側は当該シーンについて意見交換会を求めなかったという。ピッチ上で、このハンドリングをVAR無しに見極めるのは難しい。もちろん、審判側は「主審は試合を通して良いポジショニングだったが、このシーンでは近すぎて見えなかったのかもしれない」と反省点を語っていた。

二つ目が浦和レッズ×FC東京戦の13分、東が足を高く上げてクリアしたボールに、ヘディングでいった森脇が痛んだシーンだ。

ファンの声は「東のファウルにしないと怪我人が続出する」が多かったようだが、平畠啓史氏と原博実Jリーグ副理事長は、東のプレーイングディスタンスに遅れて入った森脇のファウルを主審がとったことを支持した。

一方で、レイ氏は「フィフティのボールで両選手ともにボールにプレーしようとしている。なので、【競技者が同時に 2つ以上の反則を犯した場合、より重大な反則を罰する】ということで、FC東京のファウルにすべきだった」とジャッジし、

「このシーンだけを切り取れば、多くの主審がイエローと考えるでしょう。ただし、フィフティのボールに対するチャレンジで東選手も足を最後に止めていることから、カードなしでもマネジメントできると考えて、主審はそれで試合を(問題なく)コントロールした」ことから必ずしも懲戒罰ではないとも付け加えた。

三つ目は、モンテディオ山形×FC琉球戦の62分、GK櫛引のPK時の動き出しが【ゴールキーパーは、ボールがけられるまで、キッカーに面して、両ゴールポストの間のゴールライン上にいなければならない】を違反したということでPKがやり直しになったシーンを原氏が取り上げ、レイ氏も「今回のレベルでGKの反則をとると、ほとんどのPKがやり直しになる」と”間違った判定ではないけど…やり直しにしなくても”と原氏に同調し、番組を締めた。


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