森保監督は西郷隆盛に近い。広島番記者・中野和也が記すその理由とは?
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森保監督は西郷隆盛に近い。広島番記者・中野和也が記すその理由とは?(J論プレミアム)
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(前編:森保監督はなぜ北川を1トップで起用したのか?広島番記者・中野和也の視点【無料記事】)
▼貫かれた森保監督の原理原則
森保監督は結果主義で起用を決める。アジアカップだけでなく、国内の親善試合も、普段のリーグ戦でのプレーも、練習も吟味した上で結果を出している選手を使う。「結果」という単語は、単純なボールタッチ数やシュート、スルーパスなどではなく、いかにチームに貢献できているか。その1点だ。
「プロの世界は喰うか、喰われるか。結果を出している方が、ピッチに立つ。若手とかベテランとか、全く関係ない。それが原理原則です」
広島時代によく語っていた森保監督の「原理原則」は日本代表でも貫かれているように見える。冨安健洋にしても堂安律にしても、結果を出しているからこそ、使われている。2人が東京五輪世代という「先物買い」で起用されているとは、もう誰も思うまい。南野や中島、遠藤航らも含めて経験の浅い選手たちを積極起用している以上、森保監督が変化を嫌う監督だとは考えられない。
2012年、開幕から突っ走っていた石原直樹が機能不全に陥ると、コンディションがあがってきた森崎浩司と先発を入れ替えた。ミキッチに疲れが見えると石川大徳を先発で起用し、清水航平が結果を出せば実績十分の山岸智が体調不良から戻ってきても先発で使い続けた。2015年の序盤、広島が3試合連続勝利なしという事態に陥るとすぐに、ドウグラスと柴崎晃誠をシャドーで起用して結果に繋げた。そういう監督なのである。
▼森保一とは何者なのか?
メディアはいつも変化を求める。例えば選手起用についても、試合中の交代についても、戦術にしてもそうだ。監督は魔法の杖をもっていて、それを振れば全てのことがうまくいくし、そうでないならば「魔法使いではなかった」と批判する。しかし、物事はそう単純ものではない。メンバーを固定化しないとコンビネーションは生まれにくいことも事実。選手交代したことによって、試合内容が悪化することもよくある話。「(メディアの皆さんは)いつも同じメンバーと思われるかもしれないが、僕の中では相当な試行錯誤によって選手起用は決めている」と指揮官は語ったこともある。
たとえばカタール戦を考えてみよう。
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