【水戸】「『失敗を恐れずチャレンジしよう』 安彦選手が日立一高サッカー部で講演」
「『失敗を恐れずチャレンジしよう』 安彦選手が日立一高サッカー部で講演」【HHレポート】※無料記事(デイリーホーリーホック)
「人生に本気になる覚悟の持ち方」を伝授
プロサッカー選手として異色の経歴を持つ安彦考真選手が6月22日、日立市若葉町の日立一高で講演しました。
講演会は安彦選手と知り合いである同校サッカー部のトレーナーを通じて開かれ、部員やマネージャーら約60人に今後の部活動への取り組み方や、人生の将来像を描く際の参考にして貰おうと企画されました。
まず安彦選手はスライド写真を見せながら、Jリーガーになるまでの半生を振り返りました。
高校時代、新聞配達のアルバイトで貯めた資金を元に単身ブラジルへ行き、プロサッカー選手となる夢を叶えて21歳で帰国。そして憧れだったJクラブの門を叩きましたが、残念ながらどのクラブにも入団することは叶いませんでした。
すると、ブラジルで習得したポルトガル語のスキルを買われ、大宮アルディージャ所属の通訳者として活躍。
その後は元日本代表の北澤豪さんのマネジメント会社のスタッフ、フリースクールの講師や発達障害児のサッカースクール講師などを歴任し、さまざまな仕事を掛け持ちしながら、東京タワーが一望できる都内の一等地にあるマンションで裕福な生活を送っていたそうです。
しかしずっと蓋をしていたJリーグへの想いを捨てきれず、一念発起。
それまでの仕事を全て辞め、クラウドファウンディングで協力者を募りながら、「40歳でJリーガー」への挑戦をスタートさせると、サッカー番組や雑誌等で話題に。
そして今年1月に水戸ホーリーホックに練習生として練習に参加。3月31日に加入が発表され、念願の夢が見事、花開きました。
「小さい頃からの夢に対して、自分に嘘をつかずに向き合えて良かった。今は狭い寮生活だけれども、とても毎日が充実していて、自分のやりたいことをピッチに全力でぶつけている」と現状を語った安彦選手。
最後に、これまでの人生経験から得た「人生に本気になる覚悟の持ち方」を熱心に伝え、「諦めなければ失敗という言葉はついてこない。この先どうなるか分からない霧の中に入るには覚悟が必要だけれども、霧の中の足元は結構明るいもの。自分の生き方を自分でジャッジする人生を送って欲しい。そして挑戦する人を応援する社会を作っていこう」と訴えていました。
部員らは真剣な表情でメモを取りながら、安彦選手の一語一句に耳を傾けている様子で、高野晃輔キャプテン(3年)は「キャプテンとして仲間のためばかりを考えて行動してきましたが、安彦選手が言っていた『自分のためにやることで、人のためになっていく』という言葉にグッと来ました。そして集合写真の撮影の時に『そういう賑やかな雰囲気をゲーム中も出せたらいいのでは?』とアドバイスされ、そうしていきたいなと思いました」と感銘を受けていました。
講演後、安彦選手はサッカー部の練習を見学。
部室のホワイトボードにメッセージやサインを書き記し、「今後も小中高校生の子どもたちへの自分の体験やチャレンジすることの大切さを伝えていきたい」と講演活動への意欲を語っていました。
まだJリーガーとして公式戦のピッチには立てていませんが、得意のポルトガル語や抜群のコミュニケーション能力を発揮しながらチームに貢献している安彦選手。
今後もピッチ内外での活躍に期待したいですね!
(米村優子)
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