【町田】2020年、夢物語の実現へ。2017シーズンピッチ外の総括【コラム】

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【★無料公開】2020年、夢物語の実現へ。2017シーズンピッチ外の総括【コラム】町田日和


▼J2復帰3年目の来季。1試合でも多く野津田を満員に

FC町田ゼルビアは全体練習最終日を翌日に控えた12月4日、下川浩之代表取締役以下、相馬直樹監督、李漢宰主将らクラブ関係者が石阪丈一町田市長を訪問した。市長訪問の席上で下川代表は、2年連続でのJ2残留を報告し、例年と変わらぬ行政側の支援に対して感謝の意を述べた。また相馬監督はJ2・3年目を迎える2018シーズンに向けての支援も呼びかけている。

クラブは今季の新体制発表の場で明確に2020年の東京五輪イヤーを日本のトップリーグ・J1リーグで戦う"青写真"を描いていることを明かした。まずはピッチ上における最低限の目標であるJ2残留を2年連続で果たし、限られたチーム強化費の中で、本格的な残留争いに巻き込まれることなく、目標を達成したことは賞賛されて然るべきだろう。

その一方で近い将来に見据えるJ1クラブライセンス取得に向けた現況はどうだろうか。昨年の2016年6月30日にクラブはJリーグクラブライセンス事務局へ、2020年をJ1で戦えるための環境整備を含めたロードマップを提出。その中身は2017年に天然芝のグラウンドを有した練習環境に一定のメドを立て、18年と19年には実際に町田市立陸上競技場のスタンドを拡張する、といったプランである。とはいえ、2020年をJ1で戦うといっても、ピッチ上の成績をクリアしなければならず、実際の競技力の問題は、また別の話になる。

しかし、天然芝のグラウンドを有した練習環境の整備は、市長訪問に出席した李漢宰や高原寿康が石阪市長へさらなる協力を直訴したように、野津田の改修以上にハードルの高い問題となっている。これまでもそうした選手たちやクラブ側の要望を耳にしてきた石阪市長は、「(アキレス腱を負傷した)鈴木孝司選手が長い期間試合に出られない状態だったことは、グラウンドが固い人工芝で練習をしていることが原因の一つなのかと思っています」と話しているように、一定の理解を示している。練習環境の整備に向けた具体的なプラン構築は引き続き、喫緊の課題と言えるだろう。

また、J2復帰2年目の観客動員数に目を移せば、今季の1試合平均観客動員数は4,056人と、昨季(5,123人)に比して約1,000人の落ち込みが見られた。特に今季の後半戦は悪天候のホームゲームが多く、雨天のホームゲームは1シーズンだけで10試合以上にも及んだというエクキューズもある。そのため、見方を変えれば、悪天候の中でも約2,700人近くのファン・サポーターは必ず野津田に駆けつけるなど、「観客動員の底上げ」(唐井直GM)が成されている状況とは言えるだろう。

しかし、ホームゲームの集客は、クラブ経営における生命線の一つでもある。唐井GMの言葉を借りれば、「クラブ規模の身の丈を大きくしないと、J1やプレーオフ進出が見えてこない中で、一つの起爆剤がスタジアムの集客力に尽きる」。2012年のJリーグ参入同期である松本山雅FCは、アルウィンを埋め尽くす観客の数とそれらが生み出す大きなうねりによって、J1を常時狙えるクラブへと発展を遂げた一つのモデルケースでもある。まずはクラブが掲げる来季に向けた当面の目標は、来季のホーム開幕戦を満員の観衆で埋め尽くすことにあるという。

クラブが見据える一つの視点は、野津田が満員の観衆で埋まる試合を一つでも増やすことにより、町田市民のスタジアム改修への理解や平均観客動員数を実際に引き上げることにつなげていく構えだ。今年はシーズン終了後の恒例行事となっていた街頭報告会という形ではなく、クラブとしてはこれまであまり取り組んでこなかった街中に選手たちが出ていく形で1年間の支援に対する感謝を伝える方法を模索した。

その結果、クラブは『FC町田ゼルビア2017シーズン御礼街頭パレード』をトライすることに決めた。その背景には「クラブとして、どれほど街に出て行けたか」(唐井GM)という反省点がある。所属選手の協力の下、町田市内の小学校を選手たちが巡回するプランもあるようだが、クラブとしては、町田市民へ"ゼルビアは生まれ変わった"という印象を与えることにつながる取り組みを、今後も積極的に実施していくという。唐井GMは言う。

「ゼルビアを支えてくださっているファン・サポーターのみなさま。今年1年間のご支援ありがとうございました。われわれはまだ発展途上のクラブですから、将来的なJ1昇格に向かって、みなさんとともにまた来年もクラブとして成長していければ良いと思っています。ぜひともご協力をよろしくお願いします」。J2復帰2年目はピッチ外でも厳しい結果となったが、「J1昇格という大きな夢に向かって」(唐井GM)町田は、これからも歩み続ける。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)


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